12
「非喫煙割引制度」について
掲載日:2013年08月26日
たばこを吸わないと、保険料が安くなる?
ここ最近、折からの健康ブームに加え度重なるたばこ税増税による値上がりもあって、禁煙に踏み切る人が増えています。私の周りでも「たばこ、止めました」という声をよく耳にします。
確かにたばこにはニコチン、タール、一酸化炭素等の有害物質が含まれており、以前から循環器系への悪影響や発がんリスクの増大が指摘されていました。そして、周りの人達に対するいわゆる受動喫煙の問題もあり、今や日本は分煙・禁煙社会の実現に向け、歩みを進めています。
そのような時代背景もあり、一部の生命保険会社では「非喫煙割引制度」が導入されています。
非喫煙割引制度とは、生命保険会社が定めた一定基準を満たす場合に保険料が割り引かれる制度。会社ごとに割引率は異なりますが、たばこを吸わない人にとっては、有利な制度ではないでしょうか。
「非喫煙割引」を受けるためには
非喫煙割引を受けるための例を挙げると、①1年(2年)以内にたばこを吸っていないこと②コチニン検査に合格することの2つの要件を満たさねばなりません。①については告知義務があり、②については専用のキットを使用し検査を実施します。
たばこに含まれるニコチンは、体内に入るとコチニンという物質に変わり、血液や唾液等に含まれます。コチニン検査とは唾液に含まれるコチニンの濃度を測り、その結果により「非喫煙割引」が受けられるかどうかを調べる検査のことです。専用キットに唾液を染み込ませ、その成分をチェックし、保険会社の定める濃度以下であれば晴れて「非喫煙割引」が受けられます。
もっとも非喫煙割引が適用されるかどうかは①、②を満たすだけではなく、その他、体況上の告知等も踏まえた各保険会社判断となります。
すべての保険に「非喫煙割引」があるわけではない
とはいえ、非喫煙割引を導入している会社においても、すべての保険商品で非喫煙割引が受けられるわけではありません。今のところ、収入保障保険や定期保険で利用できるケースが多いようです。一部の保険会社では、終身保険にも非喫煙割引の設定がありますが、医療保険・がん保険に関してはまだ導入している保険会社はありません。今後の動きが気になるところです。
「非喫煙割引」のポイント
たばこを吸わない人にとって非喫煙割引は、とても魅力ある制度だと思います。とはいえ、万能ではありません。非喫煙割引制度のある保険が制度のない保険に内容で勝るかといえば、必ずしもそうではないからです。やはり大切なのは、必要な保険のカタチをまず決めること。そのうえで、同じ保障が非喫煙割引を活用することで割安で加入できるのであれば、ぜひ活用しましょう。
なお、今、たばこを吸っている人も禁煙後一定期間を経ることで非喫煙割引が受けられるようになるので、禁煙を志す方は、そのモチベーションのひとつとして考慮いただければと思います。
コラム執筆者プロフィール

奥田 知典(オクダ トモノリ) (マイアドバイザー.jp®登録)
1973年生まれ。第一勧業銀行(現みずほ銀行)、東京海上日動火災保険、同社代理店を経て2006年に(株)F&Eを設立し、独立開業。豊富な実務経験を基にしたわかりやすいアドバイスには定評がある。FP業務全般に加え、住宅セミナー講演、工務店経営支援、TV・ラジオ出演やコラム執筆等、幅広いジャンルで活躍中。
- 監修者 山本 俊成
- ※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
- ※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
最新のコラム
- 2014年10月28日
- 47.生命保険の契約者が死亡した場合の、相続の取り扱いについて
- 2014年10月28日
- 46.傷害保険とは
- 2014年10月28日
- 45.介護保険とは?(公的介護保険vs民間保険会社の介護保険)
- 2014年10月28日
- 44.アカウント型の保険とは?
- 2014年10月28日
- 43.病気・ケガで収入が減ったら?(所得補償保険)
メルマガ登録をして保険市場がご案内する各種コラムの更新情報やお得なキャンペーン情報を受け取ろう!
ご登録アドレスは大切にお預かりし、保険市場メールマガジンの配信にのみ利用します。