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アカウント型の保険とは?
掲載日:2014年10月28日
正式名称「利率変動型積立終身保険」のことを、一般的に「アカウント型の保険」といいます。
生命保険といえば、死亡した場合に保険金が必ず支払われる「終身保険」や、保険期間中に死亡した場合に保険金が支払われる「定期保険」のイメージが強いでしょう。しかし、今回は、それらの生命保険と比較して、アカウント型の保険をご紹介したいと思います。
貯蓄機能と保障機能が分離?
アカウント型の保険は、貯蓄機能(アカウント部分)と保障機能に分離した構造で、貯蓄機能の部分が「主契約」、保障機能の部分が「特約」になります。
保険料は、まず貯蓄部分に投入され、契約内容に応じて保障部分へ振り替えられます。貯蓄部分の出し入れは原則として自由で、まとまったお金を貯蓄部分に積み立てしたり、保障部分を厚くしたり、また一時的に資金が必要な場合は、貯蓄部分から払い出すこともできます。
アカウント型保険のイメージ
従来の終身保険等では、一時的に資金が必要な場合、解約返戻金の一定割合で「契約者貸付」という形で引き出せましたが、その場合、一定の貸付利息が掛かっていました。そういった制約もなく、自由度が高いので、アカウント型の保険は「自由設計型の保険」ともいわれています。また、ほとんどのアカウント型の保険は、保険料払込期間が満了し、貯蓄部分に残高がある場合は、それをもとに終身保険に切り替えることができます。
アカウント型の保険のメリット、デメリット
アカウント型の保険の最大のメリットは、ライフプランに応じて自由に保険設計ができる点です。例えば、保険料の支払いが困難な場合には、保険料の支払いをストップし、それまで貯まっていた貯蓄部分を取り崩して、保障部分に振り替えることができます。つまり、保険料の支払いをストップしても、貯蓄部分に貯えがある限り、保障をそのままにすることができます。さらに、貯蓄部分から引き出すことも可能です。余裕ができた時には、まとまったお金をまた貯蓄部分に投入することができます。
一方デメリットは、貯蓄部分の予定利率が定期的に見直されるため、従来の積立預金等と比較すると、貯蓄目標が立てにくい点が挙げられます。また、保障部分の保険料が年齢とともに上がった場合に、ある時期から支払っていた保険料よりも多くの金額が保障部分へ振り替えられ、貯蓄部分が減少してしまうこともあります。
アカウント型の保険に加入する時のチェックポイント
- ① 貯蓄部分の設計をしっかりする
- ② 主契約が貯蓄部分であることを意識する
- ③ 保障部分の保険料は、更新型の場合、更新毎に上昇する
アカウント型の保険でよく問題になるのが、貯蓄部分がなかなか貯まらないことです。これは、支払保険料の大部分を保障部分に振り替えるような設計になっていることが考えられます。
これだとアカウント型のメリットが活かされず、最初から掛け捨てタイプの保険に加入するほうが効率的です。
さらに、保障部分が特約であるので、主契約を解約すると保障も全てなくなります。また、保障部分の保険料は年齢・性別で1年毎に設定され、それを一般的には10年~15年分を平準化することで一定にしています。その期間を過ぎると保険料が再計算されるため、通常は高くなります(これを更新型という)。
自由設計型保険ということで設計が自由になるものの、アカウント型のメリットを活かせるような設計になっているか、特に、貯蓄部分を契約前に充分に確認することが大切です。もっともそれは、どの保険に加入する時にもいえることです。
コラム執筆者プロフィール

松山 智彦(マツヤマ トモヒコ) (マイアドバイザー.jp®登録)
CFP®、講師業、ITコンサルタント、俳優。
1964年 大阪生まれ。証券会社・生損保のSEとして、また証券ネット取引システム立上げに参画。2003年にファイナンシャルプランナーとして独立、各種資格・セミナー講師等で活躍。また俳優ドナルド松山として、舞台、ドラマ、映画等に出演。
- 監修者 山本 俊成
- ※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
- ※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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