今知っておきたい、ゴルフのリスクに備える「ゴルファー保険」

先月、女子ゴルフのメジャー大会である全米女子オープン選手権で、日本勢同士のプレーオフとなり笹生優花選手が優勝しました。世界最高峰の試合での日本勢同士のプレーオフに胸が熱くなりました。
胸が熱くなったといえば、4月のマスターズで松山英樹選手が優勝を果たしたことを抜いては語れません。最終日に2位に4打差をつけての首位スタートは大きなプレッシャーだったことでしょう。オーストラリアのグレッグ・ノーマンは6打差のリードを守りきれずに優勝を逃しています。ゴルフのメジャー大会の中でもとりわけ特別な大会であるマスターズでのアジア人初の優勝は、快挙としか言いようがありません。
最近は、一人でも予約できるゴルフ場やセルフでプレーできるゴルフ場が増えていますし、マイカーがなくてもバス送迎付きのパックを提供する会社などもあり、気軽にゴルフが楽しめる環境が整いつつあります。
密にならずにプレーができるということもあり、ゴルフを始める若い人が増えつつあるという話も耳にするようになりました。日本人選手の活躍を契機に、ゴルフ業界に久々のブームが到来することを期待しています。
ゴルフには意外と危険が潜んでいる
ゴルフをプレーしているとヒヤリ・ハットに直面することが多々あります。
筆者自身、前の組のプレーヤーが打ったティーショットの直撃を受けたことがあります。ジャンプして避けようとしたので、ゴルフシューズの踵の部分に当たりましたが、大ケガはしないで済みました。
逆に同伴競技者が近づいてきているのに気付かずに素振りをして擦り傷を負わせてしまったことがあります。また「十分に距離があると思ってボールを打ったのに、前の組に打ち込んでしまった」など、セルフプレーが増えればトラブルも多くなるでしょう。
さらにゴルフ場では、誤って池に落ち亡くなってしまうという痛ましい事故も起きています。
ゴルフをプレー中に他人の身体、財産に損害を与え、法的な賠償責任を負った時には「個人賠償責任保険」で対応できます。ゴルフ場でケガをした時には、「傷害保険」などに加入していれば補償の対象になります。
ですが、これらのリスクにおのおの対応した保険に加入していなくても、ゴルフに関連したリスクに限定して、比較的お手頃な保険料で備えられる「ゴルファー保険」が発売されています。
一般的なゴルファー保険の補償内容
個人賠償責任保険(他人のケガなど)
ゴルフのプレー中に他人の身体、財産を毀損して法的な賠償責任を負った場合に保険金が支払われるものです。保険金が支払われるのは、ゴルフ場の練習、競技または指導中の偶然な事故です。ゴルフ場には、お金を支払って入場するゴルフ練習場も含まれます。
本人のケガなど
ゴルフ場でゴルフの練習中、競技中または指導中に急激かつ偶然外来の事故で被保険者がケガをした場合に補償されます。死亡、後遺障害、入院、通院などの際に契約時に約定した保険金が支払われます。
ゴルフ用品の盗難・破損など
ゴルフ場敷地内で、ゴルフ用品が盗難にあった場合、またはゴルフクラブの破損、曲損事故があった場合に保険金が支払われます。破損や曲損の対象になるのはゴルフクラブだけで、ゴルフバッグやシューズは盗難のみが対象になります。
ホールインワン、アルバトロスの達成
ホールインワン、アルバトロスを達成し、祝賀会などを開催したり記念品を作ったり、ゴルフ場に記念植樹するなどの費用が発生した場合に補償されます。ホールインワンのお祝い金ではないので誤解のないように。原則としてキャディなしのセルフプレーでは対象になりませんが、後続のプレーヤー、ゴルフ場の従業員など第三者の目撃証言が得られたり、動画などの客観的証拠があったりすれば支払いの対象になる場合があります。
※ゴルファー保険の各補償は、加入中の自動車保険、傷害保険の特約などと重複する可能性があります。保険料の無駄を防ぐため、まずは今ある補償を確認しましょう。
一般的なゴルファー保険の補償内容

資料:執筆者作成
ゴルファー保険の選び方
ゴルファー保険は、個人賠償責任保険や傷害保険にゴルフの練習中、競技中にのみ補償するというゴルフ特約を付け、保険料を抑えるように設計されています。
個人賠償責任保険をベースにしているゴルファー保険や、傷害保険をベースにしているゴルファー保険がありますが、補償の対象や補償の条件などに大きな違いはありません。
年間に何度もゴルフをプレーする場合や、ゴルフの練習中も補償があった方が安心だという場合には、1年間のゴルファー保険に加入するのがおすすめです。ホールインワン・アルバトロスの補償以外は国外、国内でのゴルフプレー中の事故が補償されますから、海外にゴルフツアーに出かけるような時も安心です。
年に数回しかプレーしない場合には、1日単位で加入できるゴルファー保険もあります。これは、一般的なゴルファー保険と違って、国内旅行傷害保険をベースにしています。ゴルフをプレーするために家を出てから帰宅するまでの傷害事故が補償の対象になりますが、補償範囲は国内のみとなるなど、一般的なゴルファー保険と異なる点があります。
ゴルファー保険を活用して安心で楽しいゴルフを
複数の補償があるゴルファー保険ですが、最大の特徴であるホールインワンの補償がセルフプレーでは対象になりにくいのは残念です。
しかし動画などの客観的証拠があれば良い場合があるので、ショートホールでホールインワンチャレンジとして仲間内で動画を撮り合い、ゴルファー保険を活用して楽しんでしまうというのもアリかもしれません。
ケガなどの補償も得ながら楽しみも増えるのではないでしょうか。より安心で楽しいゴルフのため、保険を検討してみてください。
執筆者プロフィール

鈴木 竜一郎スズキ リュウイチロウ
AFP
大学卒業後、損害保険会社に約9年勤務(自動車損害調査部、営業部など)後にオーストラリアへ移住。西豪州パース在住。オーストラリアで約20年独立系FPとして活動。税理士、公認会計士、移民代理人(豪州)としての活動も行う。新型コロナウイルス感染症の流行が終息したのち、日本での活動に注力する準備をしている。
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- ※ 掲載日は2021年7月21日です。
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