被災したときに役立つ知識

4月14日熊本県熊本地方を震源とする、マグニチュード6.5最大震度7の地震が発生しました。
さらにその28時間後、同じく熊本地方で、マグニチュード7.3最大震度7の地震が発生し、熊本県を中心とした九州地方の広い範囲で多くの被害が出ました。

熊本地震で被害にあわれた皆さまに、心からお見舞い申し上げます。
少しでも早い復旧・復興をお祈りしております。

震度1以上の地震は1300回以上確認されており(5月9日現在)、今もなお、不安が続いています。
まだ不安な最中では、生活を再建するのは難しいかもしれません。
しかし、被災者の方が少しでも前に進めるように、また、今後災害が起きた場合に備えるためにも、被災時に役立つ情報をお伝えします。

被災された場合、まず各市区町村で「罹災証明書」を取得しましょう。
罹災証明書とは、地震や津波などの災害により住宅等が受けた被害の程度を証明するものです。
これを判断材料として、被災者生活再建支援制度など、各種支援制度による支援金を受けることができます。
また、家を建て直すのであれば、住宅金融支援機構の「災害復興住宅融資」を受けたり、公的年金や介護保険料の減免を受けたりすることができます。
その他、罹災証明書以外にも被害の証明を残すには、スマートフォンなどによる写真撮影も有効です。その後の保険金請求時などに役立ちます。

公的制度としては「生活福祉資金貸付制度」によって融資を受けられる場合があります。
この制度は通常、低所得者や高齢者、障害者の経済的安定を図るものですが、被災した状況によって利用することができます。
お住いの市町村社会福祉協議会で、相談を受け付けていることを覚えておきましょう。
また、公的給付のなかには、遺族・障害年金や雇用保険(失業保険)、労災保険などがありますので、管轄の年金事務所、ハローワーク、労働基準監督署に相談してみましょう。

被災した場合に備えて、民間の保険会社の地震保険などに加入している方もいることでしょう。
補償(保障)の対象になる被害状態になっていれば、保険金の請求ができます。
しかし、災害により保険証券をなくしてしまった、本人が亡くなってしまってどこの保険会社か分からなくなってしまった等、保険契約の手がかりをなくしてしまうケースがあります。
その場合、生命保険であれば「災害地域生保契約照会センター」に、損害保険であれば「自然災害損保契約照会センター」に問い合わせをしましょう。

各種公的制度や民間の保険など、被災者に役立つものはたくさんあります。
しかし、自ら申請や請求をして初めて制度の利用や、給付を受けられますので、必要な情報は、事前に集めておきたいものです。
一方で、支給の対象から外れることもあります。
例えば、地震保険においては震災時の盗難・紛失は基本的に対象外ですので、なるべく貴重品を手元に置いておくなどの対応が必要でしょう。
いざというときに慌てないためにも、前もって正確な知識を持っておくことが大切です。

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執筆者プロフィール

松原 季恵(まつばら きえ)

松原 季恵(まつばら きえ)

CFP®

銀行、損害保険会社での勤務経験から、多くのお客様の相談に乗ってきました。
ファイナンシャルプランナーとして独立した際は、ライフプランを軸に「お金で楽しい毎日を」を心がけて情報発信しています。

※この記事は、「金融・保険メールマガジン【保険道場】」で、2016年5月13日に配信されたものです。
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。