番組出演で発覚した乳がん。手術前の意外な心境とは?-乳がんが私にくれた「贈り物」(山田 邦子さんコラム-第1回)

山田 邦子 (やまだ くにこ)

2007年に乳がんが発覚してから、気が付けばあっという間に10年。もちろんそれまでの間には、たくさんの苦労や悩み、不安がありました。しかしその一方で、乳がんにならなければ気付くことができなかった、私の人生を変えるたくさんの「贈り物」があったのも事実です。このコラムでは、乳がんを発見したきっかけから治療の実際、そして治療後10年を経た今の心境までを、3回に分けてお話ししましょう。

山田 邦子 (やまだ くにこ)

身近な存在とはいえ自分にはまだ関係ない病気だと思っていたのが…

祖母が乳がんになった(幸い完治はしたのですが)という体験があり、子どもの頃から「がん」という病気は、私にとって身近なものでした。そのため定期健診を受ける習慣はあったんですけれど、かかりつけのお医者様が亡くなった関係で、次の健診先を見つけるまでに3年ほどブランクができてしまって。乳がんが発覚したのは、その期間の出来事。2007年3月、私が46歳のときでした。

当時、ビートたけしさんの『最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学』という番組に出演していて、そこで乳がんの触診体験をしたんです。他の女性出演者さんたちと一緒に、自分の胸を指で押してみたら、指導の先生がおっしゃる「柔らかい肉まんの中に埋まっている梅干しの種」のような感触があったんですよ。収録中は言い出せず、家に帰って確かめて、翌朝も確かめて、やっぱり「これはおかしいかもしれない!」と思い、出演されていた先生に連絡を取り、あらためて診察をしていただいたところ、不安は見事に的中。早期発見ではあったものの、結果的には両胸に3ヶ所の患部がみつかり、その年の4月に手術を行いました。

様々な経験を経た今だから「乳がんは怖い病気ではない!」と断言できますけれど、やっぱり発覚したときには驚きましたよ。だって、それまで病気らしい病気をしたことがなかったんですもの。それに正直なところ、がんはもっと高齢の方が罹る病気だと思っていたんです。

意外にも、発覚直後にショックで落ち込むようなことはありませんでした。病気に対する知識がなさ過ぎて、落ち込む材料がなかったんですよね(笑)。でも今振り返れば、それって実は大事なことじゃないかとも思うんです。だって、病気の素人が勝手な想像で落ち込んでも意味ないじゃないですか。なにしろ相手は、何人もの患者さんを見てきたプロ。その意見に従うのがいちばんなんですから。むしろ、そうしてお医者様やスタッフの皆さんに責任を預けてしまったほうが、患者としては気が楽なんじゃないかしら。実際、手術までの間にできることといえば、休養と栄養をとって体力をつけるくらいですし。

とはいえ、そう簡単にお医者様を信用することもできませんよね。かくいう私も、主治医をはじめチームとなっている他の先生や看護師さん、ケアマネージャーさんなどすべてのスタッフに同じ質問を何度もしました。皆さんの答えがブレていなかったので、はじめて安心してお任せすることができたんです。自分だけで考え込まず、納得いくまで話を聞いておくのも大切だと思います。

お医者様のアドバイスで温存手術を選択。「お付き合い」で入った保険が助けに

手術や治療方針についてもそう。手術に関する確認をしたとき、「私は全摘でオッパイを失っても構わない」って伝えたんです。乳腺を取ってしまえば再発の恐れがないっていうし、もうオッパイを使うこともないだろうなとも思っていたし(笑)。でも、先生が「あるところにあるべきものがあるのは正しいことだから、残せるものなら残したほうがいいですよ」って仰ってくださって。

私の場合、手術をしたのが10年前じゃないですか。その頃に比べれば現在は手術や治療の技術も格段に進んでいますし、温存か全摘かという選択肢にも幅が出てきているんですよね。たとえ全摘になったとしても、再建手術によってほぼ完全な状態まで蘇らせることも不可能ではないんだとか。そういう知識も、やはり専門家のほうが詳しいわけですから、どんなことでも気軽に、何回でも相談するのがよいと思いますね。

知識と相談といえば、保険もそうなんですよ。正直、それまでは保険にはまったく興味がなくて、お友達に紹介されて義理で入ったのがあったかな?っていう程度だったんですけど、その保険にどれだけ助けられたことか!どんな病気でもそうなんでしょうけど、やっぱりお金がかかるのよねぇ。お医者様から「こちらの治療だと割高ですが期待できる効果が云々…」みたいに言われたら、そりゃ安心できるほうを選ぶじゃない?それで治療が終わった時に請求書を見てビックリしちゃったんだけど、保険に入っていたお陰で、随分と経済的なダメージが軽減されましたよ。

私のように、自分が加入している保険の詳細すら知らない人って結構多いと思うんです。保険も日々進化していて、専門性が高い特化型など本当に様々なタイプの商品が登場しているじゃないですか。年に一度とは言いませんけど、たまには家族全員で、自分たちが加入している保険の詳細を確認しあってみるのもよいと思うんですよ。そうすることで、あらためて互いの健康に関心を持ったり、今抱えている不安について話し合ったりすることができますからね。

なんて、ちょっとお説教じみてしまいましたけど、次回はここでお話しできなかった、乳がんになっていちばん大変だったこと、そしてあらためて確認することができた家族や仲間との「絆」についてお話したいと思います。

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PROFILE

山田 邦子 (やまだ くにこ)

山田 邦子 (やまだ くにこ)

タレント

1960年東京都生まれ。1981年デビュー以後、司会・ドラマ・舞台・講演・執筆等マルチな才能を発揮。2007年、健康番組出演がきっかけで乳がん罹患を発見し、手術をする。その後はがんについての講演なども精力的に行い、また2008年にはがん撲滅を目指す芸能人チャリティ組織「スター混声合唱団」を結成し団長を務めている。2008年~2010年、厚生労働省「がんに関する普及啓発懇談会」メンバー。2010年2月12日、一般社団法人日本釣用品工業会「ロイヤルアングラー賞」受賞。現在、NHKラジオ「日曜バラエティ」の司会や通販番組「痛快!買い物ランド ショップ島」のパーソナリティを務め、スポーツ報知でコラム「山田邦子の釣りウキウキ」を連載中。

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