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私たちは“愛”に生かされている

岩朝 しのぶさんコラム - 第1回

紡がれた命~0日の運命

あたりまえの事だけれど、この世の全ての人に、母がいて父がいる。

その母と父にも母がいて父がいる。

受け継がれてきた命。

しかし、あたりまえに生きているわけではない。あたりまえの事だけれど。

46年前の深夜。

仙台市のとある産婦人科で生まれた赤ちゃんは、産声を上げなかった。身体がみるみる紫色に変わっていく様子を見て看護師が慌てた。ドクターが救急車を指示する……。

東北大学附属病院は東北一の大病院で、大病の子どもからお年寄りまで多くの患者が入院・通院している大病院だ。救急車はこの世に誕生したばかりの紫色に変色した赤ちゃんをこの病院に運んだ。

“たまたま”産婦人科から一番近い病院がここだった、という幸運。そして、すぐに内臓が不完全である事が診断され、オペ室に運ばれる。

この日“たまたま”当直だった救急担当の若い医師H氏は小児科医で“たまたま”この病気の専門医だった。この世に生まれて数時間後の大手術の末、命が繋がった。

皆さん初めまして。日本こども支援協会の岩朝しのぶです。

私が生まれた日、誕生して「0日」の出来事からお話しさせていただきました。これが私の人生の始まりで、ここから私は小学校4年生までの多くの時間を病院で暮らしてきました。

6歳の頃、病室で。真ん中が私。

先天性の病により何度も手術し入院してきました。大小含めると16回の手術です。もう、ここまでくると『生かされている』としか思えないです!

現在の活動と虐待ニュースの先の子ども達

16回も手術しながら生かされてきた私は今、「特定非営利活動法人 日本こども支援協会」というNPOの代表をしています。2010年5月5日に設立し、

  • 虐待防止
  • 里親制度の啓発、啓蒙
  • 里親支援

などを主に活動している団体です。

10月4日里親の日One Love全国一斉里親制度啓発キャンペーンでボランティアさん達と。

虐待や貧困など様々な理由で擁護されている子どもは、現在全国に約45,000人います。この子ども達の中で親権者がいない、いわゆる「孤児」という皆さんがイメージしているような子どもは、ほんの1割にも満たず、ほとんどは父または母など親権者がいます。しかし様々な理由で共に暮らせない親権者……。

そのような子ども達の助け舟となる制度が、皆さんご存じの「特別養子縁組」です。

特別養子縁組は戸籍に養子としてではなく「子」として記載され、実子と同じ権利を持つのですが、日本で特別養子縁組として新しい家族に迎えられる子どもは年間約500人程度しかいません。

特別養子縁組というのは、親権者が「親権を手放して」初めて成立します。親権者が「いつか自分が育てたい」「誰かには渡したくない」という意思があれば特別養子縁組は出来ません。

社会的に擁護されている子ども達、約45,000人のその多くは施設または里親家庭で暮らしています。里親家庭では約7,000人が暮らし、その他の子ども達、約38,000人は乳児院、児童養護施設、母子生活支援施設といった、いわゆる「施設」といわれるところで養育されています。

私は「子どもは出来るだけ家庭的な環境で育って欲しい」と思っています。

なぜなら社会的に擁護されている子ども達の7割近くが虐待等による保護だからです。

そういう背景を考えると保護されてくる時点で一般的な「家庭」というものや「生活習慣」がわからない子ども達が多く、この子ども達が施設で暮らすとなると、集団生活の中でどうしても「自己選択」の機会がなくなってしまう事が多い。

○時に起床、○時に食事、○時にお風呂、○時に……という決められたスケジュール環境の中で暮らしていく事になる。

自分の好き嫌いにかかわらずみんなに配膳される食事を食べ、そしてその食事は衛生管理上、当日廃棄される。だから子ども達は2日目のカレーを食べた事がない。

今は施設での環境を出来るだけ「家庭的」に改善してあるけれど、家庭に近い、というだけで、そこは家庭ではありません。職員さんも結婚退職や産休などで子どもとの関係が切れてしまう事もあります。施設で働く、というのはハードなお仕事なので職員さんの離職率も高いのが現実です。

職員さんの情熱、思いだけではどうにもならない事もあります。

そして何より、子ども達は「親心」に触れた事がありません。

大切な乳児期、幼少期を育んでいく時に一番大切なものは物質的なモノではなく、しっかり自分だけを見てくれる『特定の人とのかかわり』だと思うのです。

里親家庭の必要性

暴力的な環境から保護されてくる子ども達は、同じように暴力的であったり自暴自棄だったりします。でも、里親家庭で「自分だけをしっかり見てくれる大人」の存在に出会い心身共に安定してくると、勉強や様々な事に興味を持つようになります。

児童養護施設で暮らしている子ども達の大学等の進学率は約16%。しかし、里親家庭で暮らす子ども達は約28%。約12%も改善される事がわかっています。

そうすると、安定的な生活が出来ないリスクが軽減されるので、その後の人生においても永続的に影響があります。

『里親制度は次の世代の虐待防止になる』のです。

里親家庭で「親の背中」を見て育ち、モデルとなる「暮らし」を知り自立出来る大人になる。

そして自分が大人になった時には我が子を愛せる大人になる。

子育て・教育が出来るようになる。

しかし、そのためには「しっかりとした里親」の存在が大切なので、里親支援にも力を入れています。

活動のきっかけ

大阪市の里親ボランティアというものに参加したのがきっかけでした。

“里親を応援しよう”という主旨のボランティアで、そこで知った現状が余りにも衝撃的で、私の心を突き動かしたのです。

1週間に1人の割合で虐待によって命が奪われているという事。

そして、その内3分の1が『0日虐待死』といって、生まれたその日に殺されている、という事だった。

驚きと、ショック、戸惑い……、多くの感情を持って帰ってきた日でした。

私の『人生0日』は、度重なる“たまたま”に生かされたけれど、片や、『生まれたその日に殺されていく命』があるなんて……。

七五三のお祝い。自宅療養中で外に出られなかったので、写真だけを自宅で。

私の乳幼児期は病室という狭い世界で、検温、採血、レントゲン、回診……。ベットの上でただ寝ているだけの日々。でも、それでは退屈だろうからとたくさんの本や玩具に囲まれ、笑顔のナースや面会者に囲まれ、多くの愛情に支えてもらっていた、日々。

しかし、一方で暴力に怯え、ご飯ももらえずに親の顔色を窺いながら空腹を凌ぐ……。そんな生活をしている子どもがいると思うだけで、胸が張り裂けそうになる……。

虐待事件の裁判をニュースで見ていると、ごめんなさい、ごめんなさい、と泣きながら謝っている子どもの様子が流れる。この子は一体どんなに辛かっただろうか……。

本来ならば愛情いっぱいに育っているだろう歳に怯え、痛みに堪えるだけの日々……、その冷たい世界の中で亡くなっていく。

想像するだけで堪らず涙が込み上げます。きっと、皆さんもそうですよね……。

度重なる幸運によって生かされてきた命は、次の世代の、この子ども達の命を救う事に使いたい!10年前、そう思って立ち上がりました。

愛されない命なんてない。

泣きながら死んでいく命なんてあってはならないのだから。

PROFILE

岩朝 しのぶ

岩朝 しのぶ(イワサ シノブ)

特定非営利活動法人 日本こども支援協会 代表理事

1973年宮城県生まれ。先天性内臓障害児として生を受け、16度の手術を経験。虐待防止活動、里親・社会的養護にあった子どもの自立支援、震災で親を失った子ども達や里親の支援活動を行う。主にアドボカシー活動に力を入れており、2018年には31回の講演を行い、2019年までの9年間で14,551名に伝えてきた。日本こども支援協会の代表的な活動として「“10月4日里親の日”One Love全国一斉里親制度啓発キャンペーン」を2016年から開始。2019年には67自治体、一般団体37団体、全国104カ所にて約800人規模で実施。自身も養育里親として12歳女児と暮らし、2017年NHK奈良放送局「なら この人」として特集される。

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