人生100年時代!「生きるため」の今どきの生命保険選び
保険大国日本では、毎年、その時代のニーズに合わせた生命保険商品が登場しています。近年では、生きていくための保険分野の進化が著しく、その選択も悩みどころです。
今回は、生命保険商品の特長と、各社のサービスまで解説していきたいと思います。
生命保険商品の変遷
まずは、生命保険協会の資料をもとに、これまでの生命保険商品の変遷を見てみましょう。
1970年代までは、貯蓄と保障ニーズの高まりから、養老保険が主力商品になっていました。
1980年代に入ると、平均寿命が伸長し、死亡保障の高額化ニーズや年金への関心の高まりから、定期付養老保険や年金保険が中心となりました。
1990年代では、高齢化時代が到来し、保障の長期化(終身化)や自分のための保障(医療・介護・年金)のニーズが高まり、定期付終身保険や年金保険が主力商品となりました。
さらに2000年代に入ると、少子高齢化が急速に進行するなか、医療・介護ニーズの拡大を受け、医療保障等の特約の多様化、そして商品としての単品化が進みました。
近年は「分かりやすい」商品ニーズの拡大が特徴です。個々人のニーズの多様化や人生100年時代に合わせて、生命保険各社とも趣向を凝らした新商品開発が続いています。
表 生命保険業界が提供する主な保険商品の変遷(イメージ)
年代 | 主な保険商品 |
---|---|
~1970年代 |
|
1980年代 |
|
1990年代 |
|
2000年代 |
|
2010年代 |
|
2020年代~ | 人生100年時代 |
資料:一般社団法人 生命保険協会「人生100年時代における生命保険業界の役割について」[1]をもとに執筆者作成
人生100年時代を生きるための多様な保険商品の特長
近年、長生きリスクに対応した、生きるための商品が増えてきた生命保険ですが、大きく6種類に分けることができます。それぞれの特長を見てみましょう。
(1)医療(入院)保険
入院日数の短期化を踏まえ、従来の「入院日数×1日当たりの給付金」という形の他に、入院すれば一律でまとまった額の給付金を受け取れる商品も販売されています。
持病があっても加入しやすい「引受基準緩和型」商品や、コロナ禍でニーズが高まった「在宅療養」を保障する商品もあります。
(2)がん保険
通院治療の増加を踏まえ、通院治療を手厚く保障する商品があります。また、上皮内新生物を含めたがんをカバーする商品も数多く登場しています。
(3)介護保険
要介護・要支援区分の低い段階から給付金を受け取れる商品があります。
要介護認定者数の増加、介護離職、老老介護、認認介護、育児と介護のダブルケア等の社会課題への対応として、費用負担軽減に役立っているでしょう。
(4)生活習慣病保険
生活習慣病とは、がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧性疾患等の疾病を指します。一度かかると長期にわたり治療が必要となる場合もありますが、この生活習慣病を保障する商品が登場しています。
「三大疾病の保険」等の名称で、複数の生活習慣病を保障の対象とする商品があります。
(5)就業不能保険
精神疾患の増加を踏まえ、身体的だけでなく精神的な不調により長期療養が必要になった際に、その間の収入減少や支出増加に備えられる商品を複数の保険会社が開発しました。
安心して療養に専念できることで、療養後の就労復帰を後押ししています。
(6)健康増進型保険
健康診断の結果が優良であれば保険料が割り引かれる商品や、日々の健康増進活動の累計に基づいて保険料が変動する商品等があります。
このように、総じて選択の幅が広がってきているといえるでしょう。
なお、上記の6種類の商品を給付の型で分けると、次のようになります。
図 給付別商品分布
※商品によっては異なる給付の型に該当する場合や、複数の型に該当する場合があります。
資料:執筆者作成
これからの生命保険各社のサービスと保険の選び方は?
健康寿命延伸に向けて、ヘルスケアデータを利用したサービスを提供する保険会社が増えています。
健康に問題のない加入者が増えると、保険会社は給付金支払リスクが減るため、今後もこのようなサービスを付帯した商品がますます開発されていくでしょう。
自らのライフスタイルに合わせ、各社の保障内容をよく検討するとともに、サービスも吟味することをオススメします。
出典 |
---|
|
執筆者プロフィール
勝田 謙一カツタ ケンイチ
AFP、防災士
大学卒業後、大手生命保険会社、外資系保険会社を経て、2014年に勝田FP事務所を開業。自然災害被災者への情報提供の必要性から、SNSグループを開設。現在、自助・共助・公助を生かしたコロナショックからの生活再建相談、執筆活動、オンラインセミナーなどを展開。
マイアドバイザー® 登録
- ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
- ※ 掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
- ※ 掲載日は2022年5月26日です。