貧血予防に。簡単!小松菜と豚肉のうまだれ混ぜご飯の献立-気楽においしく、病気の予防レシピ-syunkonからだに優しいごはん(山本 ゆりさんコラム-第6回)

山本 ゆり (やまもと ゆり)

連載最後のテーマは貧血です。

貧血ときくと、美少女が朝礼中にフラフラッときてバタンと倒れて運ばれる、そんなイメージがありますが、立ちくらみは一時的な脳貧血で、ここで書く貧血とはまた違ったものです。

貧血はだるさ、めまい、眠気、吐き気、胃痛、肩こり、頭痛など日常生活にさまざまな支障をきたします。色々な病気が潜む可能性のある症状でもあるのですが、「いつも眠いし肩もこってるし、これが私の基本スタイルでーす」みたいな人は、自分が実は貧血だと気づいていないことも。「隠れ貧血」の人はすごく多いそうなので、注意が必要です。

また妊娠中は多くの血液が必要になるため、妊婦さんの30~40%が貧血になるというデータもあります。色黒で丸顔で肉好きの私でさえも、妊娠中に貧血と告げられてびっくりしましたから(色黒も丸顔も絶対に関係ないんですけど、イメージだけで「貧血は我が人生に関係なし」と思ってたわ)。

そもそも貧血とは。

血液中の赤血球の数が減少するか、赤血球の中にあり酸素と結合するヘモグロビンの濃度が基準時よりも低い状態のこと。え?赤血球?酸素と結合?ヘモグロビン?濃度?基準値?よりも?低い?状態??となるかもしれませんが(わからなすぎやろ)、ヘモグロビンの濃度が低いと、酸素をうまく体の隅々まで運ぶことができないので、体の色々な部分が酸欠状態になります。それを防ぐべく、たくさん呼吸して酸素を取り込もうとするので、心拍数が増え、動悸や息切れをおこしたり、フラフラしたり疲れやすくなったりするというわけです。

貧血には原因によって本当に色々な種類があるんですが、ここでは一番ポピュラーな(貧血にポピュラーて)、鉄分不足によっておこる鉄欠乏性貧血について、予防する食材、レシピなどを書いていきます。

貧血を予防する食材。

「なによりも鉄分。」ですが、鉄分はそもそも体に吸収されにくいそうで、鉄分を体内に吸収しやすくする成分も一緒にとることが有効です。さらに吸収した鉄分を血液に変える作用、造血作用のある成分も一緒にとるようにすると、鉄分を最大限に活用できます。

鉄を体に吸収しやすくする成分は、ビタミンCたんぱく質。造血作用のある成分は、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸です。特に女性は月経により鉄分が排出されるので、意識してこれらを摂取することが重要です。

ヘム鉄と非ヘム鉄。

鉄分には2種類あり、肉や魚など動物性の食品に含まれるヘム鉄と、野菜や乾物、果物、豆類に多く含まれる非ヘム鉄にわかれています。これらは吸収率にかなりの差があり、ヘム鉄の体内での吸収率は10~20%、非ヘム鉄は1~6%だそうです。ヘム鉄もさることながら、非ヘム鉄にいたっては「少なすぎやろ!」と思うぐらいの数値なので、貧血改善にはまずヘム鉄を中心にとることが有効です。っていうかヘム鉄だけでよくない?と思われるかもしれませんが、肉類をとりすぎるとコレステロール値があがるなどそれ以外の部分に支障をきたす恐れもあるので、やはり野菜など色々な食材からとること、そして非ヘム鉄をとるときは、意識してビタミンCや葉酸を一緒にとることが大切です。

ヘム鉄を多く含む食材は、レバー、牛や豚の赤身、カツオ、イワシ、キハダマグロ、さんまなど。

非ヘム鉄を多く含む食材は、小松菜、大根の葉、ほうれん草、水菜、ひじき、大豆、グリーンピース、レーズン、納豆、油揚げ、切り干し大根、卵、牛乳、あさりなど。

ビタミンCを多く含む食材は、ブロッコリー、いちご、レモン、オレンジ、さつまいも、キャベツなど。

葉酸を多く含む食材は、焼き海苔、ほうれん草、納豆、レバー、枝豆、ブロッコリー、かぼちゃ、バナナ、キウイ、アボカド、いちごなど。

鉄分が多い食材の断トツトップはレバーです。食材別の100gあたりの保有量、カツオ1.9mg、牛ヒレ肉2.8mg、小松菜2.8mg、大豆8.6mg、まいわし2.1mg…というなかで、豚レバー13mgってもう、圧倒的。しかもヘム鉄。じゃあレバーさえ食べれば万事OKか…と言えばそうではなく、レバーは鉄のほかにもビタミンAやプリン体なども多く含まれており、過剰摂取すると痛風や中毒症状の恐れもあるとのこと。レバーに限ったことではないですが、どんな良い食材でもほどほどに、偏りなく食べることが大事です。

ビタミンB6やビタミンB12、タンパク質に関しては、肉や魚などヘム鉄を多く含む食材に同じく多く含まれているので、肉や魚類から鉄分をとる場合は意識しなくても大丈夫です。バナナやアボカドは葉酸とビタミンB6ともに含まれており、手軽に食べられるので貧血予防におすすめの食材です。

またコーヒーやお茶などに含まれるタンニンという成分は、鉄の吸収をさまたげるので、飲みたい場合は食後30分以上あけてからがいいそうです。もはやコーヒーを飲みたいという気持ちも7割方薄れてるわ!

ということで、レシピを紹介します。

「小松菜と豚肉のうまだれ混ぜご飯セット」

山本 ゆり 料理写真1

鉄分豊富な小松菜、卵、牛もも肉(が売ってなかったのでここでは豚ももを使いました)を使ったごはんに、鉄分豊富な切り干し大根に豆類、葉酸とビタミンが豊富なアボカドを使ったサラダ、さらに葉酸、ビタミンが豊富なブロッコリーを使ったおみそ汁を添えた、鉄分葉酸ビタミンに溢れた献立です。

『小松菜と豚肉のうまだれ混ぜご飯』

山本 ゆり 料理写真2

これ本当にオススメ。甘辛にんにくじょうゆの止まらない味。小松菜は青臭さもなく、カサが減るのでたっぷり食べられ、子どもでも食べやすいです。

材料(2人分)
小松菜…1/2束
豚もも肉…100g
にんにく…1片
片栗粉…小さじ1/2
A砂糖…小さじ2
Aしょうゆ…大さじ1
A塩…ひとつまみ
Aこしょう…少々
温かいご飯…茶碗2杯分(300gくらい)
卵…2個
B牛乳…大さじ2
B塩…少々

(1)小松菜、豚肉は1cm幅に切り、にんにくはみじん切りにする。フライパンにサラダ油(分量外)とにんにくを入れて中火で熱し、小松菜を加えて炒める。しんなりしたら豚肉を加えて炒める。
(2)豚肉の色が変わったら片栗粉をふりいれ、Aを加えて絡める。火を止め、ごはんを加えてさっくりと混ぜ、器に盛る。
(3)フライパンを綺麗にしてサラダ油(分量外)を入れ、卵を溶いてBを合わせたものの半量を流し、大きく混ぜて好みの固さで火を止め、(2)にのせる。

『切り干し大根と豆とアボカドのサラダ』

山本 ゆり 料理写真3

火をつかわない簡単サラダ。アボカドを抜けば作り置きもできます。

材料(2人分)
切り干し大根…30g
アボカド…1/2個
ミックスビーンズ…50g
A砂糖、しょうゆ、酢…各大さじ1/2
Aかつお削り節…小分け1/2袋分
Aマヨネーズ…大さじ1

(1)切り干し大根は水で戻し、水気をギュッと絞る。アボカドは縦に半分に切り、薄切りにする。
(2)合わせたAで(1)とミックスビーンズを和える。

『ブロッコリーの味噌汁』

山本 ゆり 料理写真4

噛むとだしとみそがジュワッと出てくるブロッコリーがおいしい。苦手な子どもも食べやすいのでおすすめです。

材料(2人分)
ブロッコリー…1/3株
にんじん…1/4本
だし汁…400ml
みそ…大さじ2

(1)ブロッコリーは小房に分け、芯は薄切りにする。にんじんは細切りにする。
(2)鍋にだし汁とブロッコリーの芯、にんじんを入れ、やわらかくなったらブロッコリーの実を加えてゆでる。火が通ったら火を止め、みそを溶き入れる。

おまけのデザート『バナナラムレーズンアイス』

山本 ゆり 料理写真5

バナナとレーズンをジッパー付きポリ袋にいれてもみつぶし、市販のバニラアイスを混ぜて凍らすだけ。ラム酒は好みで抜いてくださっても。

材料(2人分)
バナナ…1本
乾燥レーズン…好みの量
ラム酒…小さじ1くらい
バニラアイスクリーム(市販)…100ml

(1)レーズンにラム酒をかけてふやかしておく。ジッパー付きポリ袋にバナナとともに入れ、袋の外から手でもんでつぶし、アイスクリームを加えてさらにもむ。
(2)冷凍庫で2時間以上凍らせる。

最後に。

6回にわたった連載も、今回で最後です。完全に手さぐり状態で始めたコラムでしたが、実際にレシピを作ってくださったり、感想を頂けたことがとても嬉しかったです。また自分自身も勉強になり、このような機会を頂けたことを感謝しています。

コラムをあらためて見返すと、緑黄色野菜、豆類、青魚、きのこと海藻なんてもうすべての病気の予防に出てきていて、世に言われる「まごわやさしい」、豆類、ごま、わかめ(海藻類)、野菜、魚、椎茸(きのこ類)、芋類…が大事だというのはその通りなんだなと。わかっちゃいたけどやっぱりかと。普段の食生活を反省しました(2日に1回はウインナーかベーコン食べてる気がする)。

「おいしい!」と感じること、みんなで笑って食べることは、それだけで体にいい作用があるのではないかと思います。健康に気を付けるあまり過度に敏感になり、大好きなものを食べるたびに罪悪感にさいなまれたり、食事自体を楽しめないようになったら、本当の健康とはいえないかもしれない。栄養バランスを考えつつ、好きなものも思い切り食べ、無理のない範囲で食と健康を楽しむ。個人的には、それが一番なんじゃないかと思います。

最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。

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PROFILE

山本 ゆり (やまもと ゆり)

山本 ゆり (やまもと ゆり)

料理コラムニスト

1986年大阪府生まれ。2児の母。身近な安い食材を使い、誰にでも簡単に作れてお洒落に見えるメニューが、主婦や料理が苦手な方々を中心に高い支持を得ている。「ボケ」と「ツッコミ」を盛り込んだレシピ本「syunkonカフェごはん1~5」や「syunkonカフェごはん レンジで絶品レシピ」(宝島社刊)は、シリーズ累計430万部を超えるベストセラーに。エッセイ本「syunkonカフェ雑記 クリームシチュウはごはんに合うか否かなど」「syunkon日記 スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件」(共に扶桑社刊)も発売中。また、ブログ「含み笑いのカフェごはん『syunkon』」も気まぐれに更新中。

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