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自分の人生を楽しもう。

ヨシダ ナギさんコラム - 第3回

今を楽しむ先に、明るい未来がある

このコラムではこれまで、私がアフリカに惹かれる理由、写真家という仕事への思いをお伝えしてきました。もともと引きこもりの社会不適合者だった私が今、写真家として多くの方から注目されるようになったのは、アフリカの人たちとの出会いがあったからこそです。最終回では、このコラムのテーマでもある「人生を楽しむ」ための秘訣について、アフリカの人たちとの交流を通して私が感じていることをお伝えします。

人間は他人と比較しなければ、誰でも自信を持って幸せに生きられる

私が心惹かれ、撮影してきたアフリカの少数民族とドラァグクイーンには共通点があります。時代の流れや世間の評価とは関係なく、「自分たちはこう生きていくんだ」という誇り、ポリシーを持っていることです。そして、立ち姿が何より美しいところです。

私は彼らや彼女らを撮影していて、どの人もカッコよく見えるのはなぜなのか、ずっと考えていました。そして結局のところ、彼らや彼女らは自分や民族に対する誇りや揺るぎない自信が全身からあふれていることに気づきました。

アフリカの少数民族もドラァグクイーンも、自分と誰かを比較する(しすぎる)ことをしません。全てをひっくるめた自分に誇りを持っています。一方、日本人は国際的に自己肯定感が低いと言われています。それは人の目や評価を気にしすぎているからではないかと思います。

私は、自信とは必ずしも強さ、賢さ、美しさから生まれるものではないと思っています。人と比べれば自分より優れた人はいくらでもいるからです。だから人と比べている限り、いつまでたっても自信など持てません。自信とはもっと根拠のない、絶対的なものだと思います。弱さや欠点だと批判されるようなこともひっくるめて、もっと自分をキャラクター視して愛せればいいと思います。弱さや欠点のあるキャラクターって魅力的だし、それこそがあらゆる物語のトリガーになっていますよね。そしてそれ以上に、自分は世界にたった一人しかいない主人公なのですから、大切にするべきだと思うんです。

人間というものは、人と比べさえしなければ本来、みんな幸せなのではないかと思うことがあります。「あの子はかわいいのに、なんで私はそうじゃないんだろう」「あの子の家はお金持ちなのに、うちは貧乏だ」。そんなふうに他人と比較をすることが、自己肯定感や幸福度を下げてしまっているのではないでしょうか。今の自分という存在をそのまま受け入れ、悪くないと思える人こそが幸せなのだと思います。

他人の言葉に左右されるほど愚かないことはない。自分の人生の主人公は自分

そうはいっても、実は私も昔はコンプレックスのかたまりでした。私は昔から、人が当たり前にできることができませんでした。だから、自分のことをずっと社会不適合者だと思っていたんです。でもありがたいことに、そんな私を今の時代は「ユニークだ」と注目してくれています。私自身は何も変わっていないのに、周囲の受け止め方が変わっただけで、面白いなと思いますね。

ただ、「人と比べることなんて無意味だ」「私は私のままでいいんだ」と思えるようになったのは、わりと最近になってからです。そう思えるようになったのは、被写体の少数民族やドラァグクイーンの方から「私たちにとって、あなたの活動はうれしいし、協力できるのが楽しい」と応援してもらえたことの影響もあると思います。

私は写真を撮った後、できる限りモデルになってくれた方へ写真を届けるようにしています。写真を渡すと相手はすごく喜んでくれます。それが写真家という仕事のやりがいとなり、自信にも繋がってきました。私の写真を見てくれた方から「彼らの姿に励まされました」などの感想をいただいたときも、すごくうれしいですね。

さきほど根拠のない自信が大事だと言いましたが、人から褒めてもらうことが自信に繋がることも確かでしょう。また、誰だって批判や中傷をされれば落ち込みます。でも、私はある時期から、他人の評価をあまり気にしなくなりました。一時的な感情で言われていることも多い。裏側まで見て判断したわけではない一言に一喜一憂したり、人生を右往左往させられるのは無意味だと思うようになりました。

自分がやりたいことをやって、関わってくれた人がハッピーになるならそれでいい。そう考えるようになってから、生きることがとても楽になりました。人生の主人公はあくまでも自分なのだから、迷惑をかけすぎない限り人から何を言われようと堂々とやりたいように生きればいいのだと思います。

夢や未来のことより、今この瞬間を大切に生きていきたい

今はSNSの影響もあり、誰もが夢を持ってキラキラ輝く人生を過ごさなくてはいけない、自己実現しなくてはいけない、といった風潮が強い気がします。でも、現実はなかなか思うようにいかず、悩んだり、苦しんでいる人が多いようです。人間にはそもそも夢なんかなくても、キラキラしてなくてもいいんじゃないかと思っています。

私自身も昔から「将来こうなりたい」などといった夢や目標を持ったことがありません。もちろん、今もそうです。夢や目標を持つと、それが達成できなかったことで落ち込んだり、自分を責めてしまったりしがちです。それが嫌なんです。私はいつも、自分を甘やかしていたいんです。ある時点で立てた夢や目標に、いつまでも縛られることも避けたいんです。だって、新しくやりたいことを見つけたら、すぐにでもそちらへ向かって行動したいから。

以前、将来のことが少し不安だった時期があります。そして、その思いをアフリカの現地の人にもらしたことがあるんです。すると、彼らは不思議そうに「なんで、これからどうなるかわからない未来のことで悩んでいるんだ。今日1日、みんなと一緒にご飯が食べられて、ぐっすり眠れれば、それで十分幸せじゃないか。そんな今に幸せを感じられない人は、未来にだって幸せは得られないんじゃないかな」と言われました。

その言葉を聞いて、ハっとしました。確かに将来の不安なんて、人間が頭のなかで勝手につくりあげている妄想のようなものです。そんなものにとらわれて、今、目の前にある現実の人生に幸せを感じられなかったり、楽しめないなんて馬鹿げています。ネガティブな人のまわりには何も集まりません。今を大切にし、今を楽しむことの先にこそ、明るい未来はあるのだと思います。

私がアフリカの人たちから教わった最大の人生訓は「人はもっとシンプルに、今をちゃんと楽しんで生きればいい」ということです。これからも私は未来のことは考えず、今、目の前にあるものに全力で反応しながら、人生を楽しんでいきたいと思っています。

PROFILE

ヨシダ ナギ

ヨシダ ナギ(ヨシダ ナギ)

フォトグラファー

1986年生まれ。独学で写真を学び、アフリカやアマゾンをはじめとする諸所の少数民族や、世界中のドラァグクイーンを撮影、発表。唯一無二の色彩と直感的な生き方が評価され、2017年日経ビジネス誌で「次代を創る100人」へ選出。同年、講談社出版文化賞 写真賞を受賞。以降、国内外での撮影やディレクションなどを多く手がける。

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