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2017.05.16
働きながら子どもを生み育てたい!どんな制度があるの?
「働きながら子どもを生んで育てたい!働き続けられるようにいろいろな制度があるらしいけれど、どんな制度なのか詳しくはわからない。」
そんな方に今日は、妊娠・出産・育児をサポートしてくれる措置・制度等とお金について、お伝えします。
妊娠が分かってからの働き方 <会社で利用できる5つの措置・制度>
妊娠は、新たな命がおなかの中に宿るという、とても神秘的で素敵なこと。しかし、母体にはさまざまな変化が現れ、妊娠前と同じように生活をするのは難しくなります。そのような状態で働くプレママとおなかの赤ちゃんを守るために、次のような措置・制度等があります。
- 1.保健指導や健康診査を受けるために必要な時間を会社に申請できる※
- 2.通勤緩和のために、交通機関の混雑を避けられる時差通勤・勤務時間の短縮・通勤経路の変更などを申請できる
- 3.休憩時間の延長・回数の増加・時間帯の変更などを申請できる
- 4.医師から指導があった場合は、勤務時間の短縮・休業・作業環境の変更、負担の大きい作業から他の軽易な業務への転換を申請できる※
- 5.時間外労働、深夜業、休日労働をしないこと、変形労働時間制を採用している場合であっても1日および1週間の法定労働時間を超えて労働しないことを申請できる※
会社への申請には「母性健康管理指導事項連絡カード」を使うとよいでしょう。医師等に指導内容を記載してもらい、「指導事項を守るための措置申請書」欄に必要事項を記入し会社に提出します。「母性健康管理指導事項連絡カード」は、母子健康手帳に記載されていることが多いですが、厚生労働省のホームページからもダウンロードできます。
出産前後に支給されるお金と社会保険料について
妊娠後期になるとおなかも大きくなり、歩くだけでも息が上がるなど母体の負担もかなり大きくなってきます。そんな状態で仕事を続けるのは大変です。出産予定日間近から出産後には、次のような制度があります。
- 6.産前休業制度…出産予定日の6週間前から(双子以上の場合は14週間前から)請求すれば取得することができる
- 7.産後休業制度…出産の翌日から8週間は(本人が希望して医師が認めたときは6週間)就業できない
- 8.育児休業制度…1歳未満の子どもを育てるパパ・ママは、希望する期間、子どもの養育のために休業できる(一定の要件を満たす時は1歳6カ月まで)
- 9.パパ・ママ育休プラス制度…パパ・ママともに育児休業を取得する場合は、子どもが1歳2カ月になるまでの間に、それぞれ1年間まで取得することができる
- 10.解雇制限…産前休業・産後休業の期間とその後30日間は解雇できない
☆出産前後のお金☆
- 11.出産育児一時金…1児につき42万円が健康保険から支給される
- 12.出産手当金…産前・産後休業期間中に会社から給与が支払われない場合は、健康保険から、
(支給開始日以前の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷30日×2/3
が支給される - 13.育児休業給付金…育児休業を取得したパパ・ママに、雇用保険から支給される
・育児休業開始から180日までは、休業開始前の賃金の67%
・育児休業開始から181日以降は、休業開始前の賃金の50%
11~13の「3つのお金」は全て非課税です。
- 14.休業中の社会保険料は免除
産前産後休業、育児休業中の社会保険料は免除になります。しかし、健康保険の給付は通常通り受けられますし、被保険者の年金額を計算する際、保険料は支払ったものとして計算されます。
出産前後のお金で注意する点は2つ。
1つ目はボーナスについて。上記12の出産手当金と13の育児休業給付金は、あくまでも月給与ベースでの支給になりますから、ボーナス分は丸々減収になります。
2つ目は住民税について。会社員の所得税は、給与やボーナスの都度徴収されていますが、同時に徴収されている住民税が前年の所得金額に応じて課税されていることはご存じですか?平成28年の収入に対する住民税は、翌年の平成29年6月から平成30年5月に支給される給与から徴収されます。ですから、その間に収入が無い場合でも住民税は支払わなければなりません。休業開始時に一括で徴収されることもありますので、確認して準備をしておきましょう。
育休明けの働き方 <短時間勤務制度は3歳になるまで使えます>
1~5の制度のうち、※印が付いているものは、出産後1年未満の働くママも使えます。子育て勤労者向け制度には、このほか次のようなものがあります。
- 15.育児時間…1歳未満の子どもを育てるワーキングママは、1日に2回、少なくともそれぞれ30分の育児時間を申請できる
- 16.短時間勤務制度…3歳未満の子どもを育てるパパ・ママは、短時間勤務を申請できる
- 17.所定外労働の制限…3歳未満の子どもを育てるパパ・ママは、所定外勤務しないことを申請できる
- 18.時間外労働・深夜業の制限…小学校入学前の子どもを育てるパパ・ママは、1カ月24時間、1年150時間を超える時間外労働や、深夜の労働をしないことを申請できる
- 19.子の看護休暇制度…小学校入学前の子どもを育てるパパ・ママは、子ども1人なら1年に5日まで、2人以上の場合は10日まで、年次有給休暇とは別に子どもの看護のために休むことができる(平成29年1月1日からは半日単位で取得できるようになりました)
資料:厚生労働省のホームページをもとに執筆者作成
まとめ
仕事をすること、子どもを育てること、どちらも大切で大変なことですね。今回お伝えしたことは、法律(男女雇用機会均等法、労働基準法、育児・介護休業法)によって定められていることです。働きながら元気な赤ちゃんを生み育てるために必要な制度を上手に利用し、お金のこともキチンと理解・準備をして、素敵なワーキングマザーになりましょう。
妊娠・出産を希望している方は
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コラム監修者プロフィール
柳澤 美由紀
やなぎさわ みゆき
- CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- 関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。
相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
- ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
- ※ 掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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