保険会社間の自動車保険等級の引き継ぎ
自動車保険の保険料を決める重要な要素として、等級と料率クラスがあります。
料率クラスは、車の型式ごとの事故実績に基づいて、毎年見直しが行われてクラスが設定されますので、契約者がコントロールできる部分ではありません。
等級は、契約者が1年間無事故であれば(保険を使った事故がなければ)、1等級上がります。また、事故を起こして保険を使うと3等級ダウン、事故の種類によっては1等級ダウンになります。等級は、事故が起こらないように安全運転を心掛けるなど、契約者がコントロールできる部分になります。
一般的な自動車保険の更新は毎年発生します。保険内容の見直しも毎年行うことができますので、見直しのなかで他社へ変更するケースも出てくるでしょう。
以下、他社へ変更した場合の等級の扱いについてみていきます。
保険会社を変更した場合の等級は
保険内容の見直しなどによって保険会社を変更した場合、以前の保険会社の等級が引き継がれます。再度、6等級からスタートするわけではありません。
例えば、現在の等級が18等級で、その年が無事故だったとします。次年度、他社に変更した場合、自動車保険の等級は19等級からスタートします。もし、3等級ダウンの事故を起こした場合は、15等級(18等級の3等級ダウン)からのスタートになります。
ただし、保険会社によっては、教職員共済、自治労共済、トラック共済など、一部の共済からの引き継ぎができない場合があります。事前に保険会社や共済に等級の引き継ぎが可能か確認しておきましょう。
保険会社や共済へ移行時の注意点
自動車保険は、一般的に満期日の午後4時をもって前の保険会社(または共済)の契約(補償)が終了します。午後4時以降は変更先の保険会社(または共済)の契約(補償)がスタートしますが、一部の共済では、午後4時としていない場合がありますので、補償期間に空白がおきないように、余裕をもって手続きを行いましょう。なお、保険会社によっては責任開始時間を指定することが可能ですので、補償されない期間ができてしまう場合は確認するようにしましょう。
また、等級の引き継ぎには、期限の設定があります。
多くの保険会社では、現在7等級以上の場合、満期日の翌日から起算して、7日以内が期限になっています。それを過ぎると、移行先の等級は6等級からのスタートになります。現在6等級以下の場合は、満期日の翌日から起算して13カ月以内で新しい契約をする際、前契約の等級や事故有係数適用期間が引き継がれるようになっています。
20等級など高い割引率の等級の方は、責任開始日に細心の注意を払いましょう。
このように、保険会社間の自動車保険の等級の引き継ぎにおいて、「保険会社(共済)間で等級が引き継ぎできない場合があること」「等級の引き継ぎには期限があること」などがあります。契約中の自動車保険や現在の等級などを確認しながら検討するようにしましょう。
※本記事は、2017年8月31日に掲載された記事です。そのため、記事内容は掲載日のものであり、現在と情報内容が異なっている場合がございますので、本記事の閲覧・利用等に際しては、ご注意ください。
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