女性向けの補償

医療保険(入院保険)には、女性特有の病気で入院した場合に、入院給付金が多く支払われるといった女性向けの商品がありますが、自動車保険には女性向けの補償があるのでしょうか?
女性は顔が命??
自動車保険の補償の一つに、「人身傷害補償保険」があります。人身傷害補償保険は、過失割合にかかわらず、自分自身の過失分を含めて、実際にかかった損害(入院・通院費等の治療費、休業補償、慰謝料等)を補償してもらえるというもので、必ず付けておきたい補償の一つです。この補償は、自動車に乗っているときだけでなく、歩行中の自動車事故も補償されます。
人身傷害補償保険には、女性の顔のケガに対する手術費用を補償する特約を付加できる保険もあります。顔以外に、頭、首も対象で、1事故1回が限度ですが、ひとりにつき限度額まで補償される特約となっています。
主婦として、母として
女性の家での役割は、家事をこなす主婦としてや、子育てに奮闘する母として、また、自分の親や義理の親等の介護にあたる介護者として等、人によっては役割が何役もあります。万一、女性が交通事故に遭い、入院をすることになった場合、その家での役割を担ってくれる人がいなくなり、家族が困ってしまうケースも考えられます。
人身傷害補償保険の中には、補償を受けられる人を対象に、入院期間に応じた支払限度額の範囲内で、幅広い補償メニューの中から補償を利用することができる保険もあります。幅広い補償メニューの中には、どんなものがあるかをみてみましょう。
例えば、「ホームヘルパー派遣」です。これは、人身傷害補償保険の補償の対象となる人のうち、日常、家事を主として行う人が入院した場合や、補償の対象となる人の入院に伴って、家事を主として行う人が付き添う場合に、ホームヘルパーを家事従事者の自宅に派遣するための費用を補償してくれるというものです。
また、補償の対象となる人の中で、介護を行う人が入院した場合や、補償の対象となる人の入院に伴って介護人が付き添う場合に、介護ヘルパーを介護人の自宅に派遣するための費用を補償してくれる「介護ヘルパー派遣」。子どもの身の回りの世話を行う人が入院した場合や、補償の対象となる人の入院に伴い家事を主として行う人が付き添う場合に、ベビーシッターを派遣するための費用、または、保育施設に預け入れるための費用を補償してくれる「ベビーシッター派遣」等があります。
他にも補償メニューがありますが、1事故1名あたりの上限額が、1日あたり10,000円~25,000円となっている場合が多いです。
事故対応
実際に自動車事故に遭ったときのことを考えてみてください。冷静に状況を判断して、相手方への今後の対応の説明をすることができるでしょうか。他に同乗者がいない場合、女性ひとりで対応することになりますので、その心細さはなおさらのことでしょう。そんなときに、保険会社が代わりに電話で相手方に説明をしてくれるとしたら、安心だと思いませんか?そういったサービスが商品の中に組み込まれている自動車保険もあります。
また、基本的に事故受付は、24時間365日体制で行っている保険会社がほとんどですが、夜間・休日の対応は保険会社によって異なります。夜間や休日に運転する可能性がある方は、夜間・休日には事故受付だけで初期対応(修理工場手配、レッカー移動等)は行わないのか、または、受付時間を決めて初期対応を行うのかを確認しておきたいところです。ただ、代理店型の場合、熱心な代理店の担当者であれば、その役割を担ってくれる場合もあります。事故対応の在り方は、いざというときに頼りになる自動車保険にしておくためにも、必要な要素です。
もらい事故の交渉
事故対応に関連して、注意しておきたいポイントを補足しておきましょう。もらい事故等、明らかに自分自身の過失がゼロの事故に遭った場合、保険会社が相手方との交渉にあたってくれない可能性があることを知っていますか?相手方に損害賠償を行う責任が生じないので、保険会社が当事者でなくなってしまうためです。つまり、自分で相手方と交渉しなければいけない可能性もあるのです。
そんなときに女性の味方になってくれるのが、「弁護士費用特約」です。これは、自動車事故に遭い、損害賠償請求を行う場合に生じる弁護士費用や、法律相談をする場合の費用等が支払われるというものです。つまり、この特約を付加しておけば、もらい事故等で保険会社が交渉に臨んでくれない場合においても、弁護士に交渉を依頼するための費用が補償されることになるので、相談費用や依頼費用の心配をする必要がありません。
最後に
自分自身が加入している自動車保険の内容を把握していますか?いざというときに、本当に使える自動車保険にしておくためにも、万一、自分ひとりで自動車事故に遭ったときのことを想定したり、事故経験者に様子を聞いたり等をし、どんな不安や困りごとが生じそうであるかを踏まえて、補償の内容を充実させておきたいものですね。

-
コラム執筆者プロフィール
キムラ ミキ (キムラ ミキ) マイアドバイザー.jp®登録 - 鳥取県立米子東高等学校卒業後、日本社会事業大学 社会福祉学部 福祉計画学科にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP、社会福祉士を取得。大学卒業後、アフラックでの保険営業を経て、株式会社アゼル(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わる。その後FP会社でのスタッフ経験を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。

-
コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー キムラ ミキ
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。