学資保険の貯蓄性と保障
学資保険は、教育資金を準備するための手段の一つです。学資保険は、一言で表すと、保障も兼ね備えた貯蓄性のある保険商品となります。
数ある学資保険の中でも、貯蓄を重視したものと、保障を充実したものとがあります。何を選ぶかは、学資保険を利用する方の目的を明確にする必要があります。本コラムでは、商品選択のお役に立てるよう、学資保険の貯蓄性と保障の特徴をお伝えします。
学資保険の貯蓄性
学資保険は、加入者が払い込んだ保険料から事業に必要な分や利益分を差し引いた残りの分を将来支払う学資金(満期保険金・祝い金)として保険会社が積み立てています。
貯蓄を重視した学資保険では、払い込んだ保険料の合計よりも多くの学資金を受け取れる仕組みとなっています。これは、積み立てたお金を保険会社が運用しているからです。
私たち消費者から見ると、学資保険は、保険会社に保険料を支払った代わりに運用して増やしてもらっていることになります。
保険会社が運用して支払うと約束した金額(保険金)は、契約した時期の世の中の金利に大きな影響を受けます。保険会社は運用のプロとはいえ、大事な加入者のお金をリスクの高いもので運用するわけにはいきません。世の中の金利が低い時には、保険会社の運用の成績も同じように低くなります。今の金利水準から保険会社が数年先にお約束できる金額を決めているのです。
保険料の払い込みに対して受け取る学資金の総額がどれくらいになるかは、契約時の金利水準が低ければ少なくなり、金利水準が高ければ多くなります。
個人で運用した経験がないあるいは、経験が少ない方であれば個人で運用するよりもプロに任せた方がいいのは当然です。
金利は常に変動しています。学資保険は、積立期間が長いため将来の金利水準が契約時と変わる可能性もあります。将来の金利水準は予測できないので、学資保険を選ぶことは、今の時点で将来受け取る金額を確定するということになります。
学資保険の保障
学資保険が一般的に金融機関での積み立てと大きく違うのは、保障機能がついていることです。保険商品ですので全く保障機能がないという商品はありません。学資保険も貯蓄性が高いとはいえ、保障機能はすべての商品に備わっています。
学資保険は、契約者(保険料を払う人)が亡くなったときに保険料払い込み期間がまだ残っている場合、以後の保険料の払い込みは免除となります。なお、保険料の払い込みが免除になっても、満期保険金は約束の期日に満額支払われ、商品によっては入学や進学に合わせて祝い金が受け取れます。この点が、個人で金融機関に積み立てているのとは大きな違いとなります。この保障の部分に価値を置いて学資保険を選ばれる方は少なくありません。
その他には、保険の対象である子どもの死亡保障や、入院や手術の保障が備わった学資保険があります。保障の部分が多いと、その部分に保険料が割り当てられ、積み立てる保険料が減り貯蓄性が減少していきます。
学資保険を選ぶ際に、子どもに対する保障をどうするかが選択のポイントとなります。まず、子どもの保障が必要かどうかの検討をしましょう。
学資保険に限らず、「保障」(リスクに対する備え)を必要とするかどうかの基本の考え方は、保険の対象となった方に万一のことが起こったときに家族が負う経済的負担が大きいかどうかです。経済的負担が大きい場合には、保障を付けて備えるのです。家族の生活を支えている方に万一のことが起これば経済的負担が大きいですね。では子どもはどうでしょう?
このように「保障が必要かどうか?」はこの基本的な考え方を軸に考えると、適切な保障と無駄のない保険料負担のバランスが取れます。
まとめ
教育資金準備の基本は、目的を明確にして、計画的に着実に積み上げていくことです。
学資保険は、保障を兼ね備えた貯蓄性のある保険商品です。貯蓄性と保障を理解し選択しましょう。教育資金準備を目的にするのなら、保障機能は最低限とし貯蓄性の高い商品を選ぶことをおすすめします。
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