女性特有のがん「乳がんについて」
独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターの2005年データによると、一生の中でがんに罹患するリスクは、男性54%、女性41%と男性の方が高くなっています。その一方で、20代後半から50代前半では、女性の方ががんにかかりやすいというデータもあります。
理由としては、この年代では、「乳がん」を中心に女性特有のがんにかかる人が多いためです。30代から50代の女性のがん患者のうち6割近くが「女性特有のがん※」と言われていて、特に乳がんについては、その患者数は30代から急増し、全体で50,000人を超えているといったデータもあります。
(独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターより)
※乳房・子宮頸(部)・子宮の部位不明・卵巣の悪性新生物を「女性特有のがん」と表現しています。
「乳がん」を取り除く治療法としては、乳房全体と周囲のリンパ節を切除する「乳房切除術」、がんのできた周囲だけを切除し、患者さんの体の負担をなるべく軽減することを目指した「乳房温存術(療法)」が代表的です。後者については、原則、しこりの大きさが3~4cm以下の早期がんが対象ですが、術前の化学療法の効果次第では、その限りではないようです。
術後は転移することを避けるために、病状によって、抗がん剤やホルモン療法、放射線治療などが行われます。その治療の内容によっては、薬による副作用により脱毛することもあります。
また、一般論として、他のがんと比べると進行がゆるやかな為、治療後10年経過後でも再発することはあるそうです。
このようなことから、「乳がん」は、女性にとって肉体的負担はもちろん、「精神的な負担」も非常に大きい病気といえます。
経済的な負担については、治療内容によって変わりますが、術後の再発防止のための化学療法などは、まとまったお金が必要になります。また、「乳房切除術」後に「乳房再建術(人口乳房の挿入など)」を行った場合には、それなりに費用がかかります。さらには、働いている女性の場合、就業不能による収入の減少も大きくなることが想定されます。
まずは、自分で触診して発見することも可能だと言われていますので、早期発見することが重要といえます。経済的な負担への備えについては、がん保険の活用は一考に値するかと思います。
ファイナンシャルプランナー 大倉 修治
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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