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私たちは“愛”に生かされている

岩朝 しのぶさんコラム - 第4回

私たちは“愛”に生かされている

皆さん、こんにちは。

日本こども支援協会の岩朝しのぶです。

皆さんは“発達心理学”という言葉を聞いた事がありますか?

今日は、皆さんがどういう発達を経て今に至るのか?

どうしたら我が子を天才児に出来るのか?

など、子育てのヒントも織り交ぜながらお伝えします。

愛着理論・愛着形成~こころの安全基地

“愛着(アタッチメント)”。

イギリスの心理学者であり精神分析学者でもあるジョン・ボウルビィによって確立された“愛着理論”というものがあります。愛着理論は、人と人との絆、親密さを表そうとする愛着行動についての理論です。

子どもは社会的、精神的発達を正常に行うために、少なくとも1人の『固定された養育者』と親密な関係を維持しなければならず、それが形成されなければ、“愛着障害”という社会的、心理学的な問題を抱えるようになります。

『固定された養育者』、というのがキーです。

わかりやすく言うと、母に抱かれている赤ちゃんを誰かが交代して抱っこしたりします。その時に赤ちゃんは母を求めて泣いたりしますね?

何とか泣き止ませようとあやしますが、結局泣き止まずにいるので母に戻すと、すぐに泣き止む。これは、赤ちゃんが“安心”を獲得した瞬間です。

母がこの子にとっての「こころの安全基地」になっているのです。

ハイハイしたり歩けるようになった時、何かにぶつかったり転んでしまったりした時に「うわぁん!」と泣きながら親のもとに戻ってくる事があります。それも同じように、冒険してみたけれど傷つき、安心を獲得したくて安全基地に帰ってくる、という行動です。

この時、安全基地で傷を癒すと、また好奇心、冒険心が湧き、歩き回る。何かあると、戻ってくる。この繰り返しで信頼、安心というような目に見えない絆「愛着の内在化」によって、すぐ近くにいなくてもこころの中に安全基地があるから自分の世界を広げていけるのです。

そしてそれは、後に感情や、考え、期待をつくり上げます。

特定の人物とのかかわり、日々の積み重ねにより育まれる“愛着”。3歳頃までが最も重要な形成期間です。

皆さんが、「何かをしたい!」と思ったり、「頑張ろう!」と思ったりする“意欲”や“希望”が湧くのは、『固定された養育者』によって「愛着が形成されているから」という事なのです。

何かを挑戦したいという意欲は、「失敗したり傷ついた時」に戻れる「こころの安全基地」があるからです。

今までそんな事を考えた事もなかったでしょう?

今の自分があるのは、誰かがあなたに“安心”“安全”“信頼”を丁寧に築き上げてくれたから。愛してくれたからこそなのです。だからあなたは頑張れるのです。

愛着は自分が努力して形成出来るものではなく、必ず「誰か」によって形成されます。乳幼児期、または幼少期、青年期……。誰かがあなたに安心と信頼、安全を提供し見守ってくれたから、今のあなたがあります。

『固定された養育者』というのは、多くは母、父、または祖父母かと思います。養育にかかわる人がコロコロ変わり安定しないと、この愛着というものが形成されにくく、安心や信頼、安全を獲得する事が出来ない、要は、不安ばっかりの状態になります。

そうすると何に対しても挑戦が出来ません。

無謀である事はあるけれど、挑戦は出来ません。

ですので、もし今、子育てをしている方がいらしたら、この「こころの安全基地」をしっかりと形成してください。

その安全基地が丈夫であればあるほど、子どもは好奇心に溢れ、冒険心に富み、何にでも臆せず挑戦して頑張れる人物となっていきます。

「勉強しなさい」と何度も言う事より、愛着形成が人生においての肝と言っても過言ではありません。

私たち里親に託される子ども達

里親には種類がある事を知っていますか?

一般的に里親の種類は、大きくわけて4種類あります。

  • 養子縁組里親:子どもと法的な親子関係を結ぶ事を前提として養育する。普通養子縁組と特別養子縁組にわかれ、特別養子縁組は戸籍上の親子になり“子”として記載される。
  • 養育里親:様々な事情で家族と暮らせない子どもを自分の家庭で一定期間養育する。
  • 専門里親:養育里親のうち、心身に専門的なケアが必要な子どもを養育する。
  • 親族里親:実親が死亡や行方不明などの場合に、祖父母などの親族が親代わりとなって子どもを養育する。

私は、養育里親として子どもに寄り添い、ケアやサポートをしています。私のような養育里親はまだまだ知られておらず、全国で子どもと共に暮らしている養育里親は約4,000世帯程度しかいません。

この、私たち里親家庭に託されてくる子ども達のその多くが、虐待やネグレクトを経験してきます。そして、前述した“愛着”が形成されていません。

ある里親のもとに託された5歳の女の子は、里親家庭で迎えた時に「何が食べたい?」とリクエストを聞いても答えず、しばらくの間、里親は「遠慮しているんだろうな」と思っていました。

しかし、暮らしていくうちにわかったのは“何も知らないからリクエスト出来ないだけ”だったのです。

子どもに「何食べたい?」と聞いて、「ピザ!」「お寿司!」「焼肉!」と答えられる子どもは、それを食べた事があるからです。

しかし、この子は何も知らなかった。ラーメンも、カレーライスも、ハンバーグも。知らないものはリクエストが出来ない。そんな状況を全く想像していなかった里親はそれがわかった時、「胸が抉(えぐ)られるかのように苦しかった」と言います。

5歳の女の子。世間では祖父母にも可愛がられ愛されるべき幼少期です。

どれだけ孤独な5年間を生きてきたのでしょう。

そして、大切な“愛着”が形成されていないため、誰とでも手を繋ぎ、誰にでも抱っこされ、誰にでも付いて行くので外出中、目が離せなかったと。

また、ある里親仲間が、うちにきたばかりの子が、私に「優しい」と言うのよ。「どうして?特になんもしてへんよ?」と言ったら「ご飯をつくってくれるから」と返ってきて、思わずむせび泣いてしまったそうです。

ご飯をつくるのは、優しさ?優しいから、子どもにご飯をつくる?違いますよね。大人であれば、自分の分をわけてでも先に食べさせてあげるのが大人であり、親心でしょう。里親のもとへ託されてくる多くの子どもは“親心”に触れた事がありません。

この子ども達には教育よりも先に福祉が必要です。

こころの基盤が出来上がらないと、その上には何も乗せられないのです。

私たちは“愛”に生かされている

皆さん、“虐待”と聞くと暴力的な事を思い浮かべますよね?

暴力も、もちろん大きなダメージですが、生きていくにあたり深刻なのは“ネグレクト(育児放棄)”です。『固定された養育者』どころか、放置されていますから、不安でしかないのです。

お腹が空いて、泣いてもミルクをもらえない。不安で泣いても誰も抱いてくれない。誰にも話しかけられず、誰にも触れてもらえない。不安と絶望の時間を過ごす。

愛着は形成されず、そのまま時間が経ち大人になった時、この子は誰も信用出来ない人物となります。

他者とのかかわりを継続出来ない。そして、信用して裏切られた時に自分を癒す「こころの安全基地」がないから信用したくない、挑戦したくない。そもそも意欲が湧かない人物になります。

人が生きていくうえで一番大切な事。それは「かかわり」です。誰もが1人では生きていけない。愛は全ての原動力となる。

親子、友人、恋人……。

私たちは様々なカタチの愛に生かされている。

そして、インプットされた事がないものは、アウトプットも出来ない。

愛を知らない人は人を愛せない。

私は、この“愛”を知らない環境に生きている子ども達のために、愛を注ぎ、生きていきたい。

この子ども達が生きていけるように。人を愛せるように。

そして、この子ども達が親になった時に、我が子を愛せるように。

LOVE IS POWER。

愛こそが力の源。

そう、私たちは“愛”に生かされている。

PROFILE

岩朝 しのぶ

岩朝 しのぶ(イワサ シノブ)

特定非営利活動法人 日本こども支援協会 代表理事

1973年宮城県生まれ。先天性内臓障害児として生を受け、16度の手術を経験。虐待防止活動、里親・社会的養護にあった子どもの自立支援、震災で親を失った子ども達や里親の支援活動を行う。主にアドボカシー活動に力を入れており、2018年には31回の講演を行い、2019年までの9年間で14,551名に伝えてきた。日本こども支援協会の代表的な活動として「“10月4日里親の日”One Love全国一斉里親制度啓発キャンペーン」を2016年から開始。2019年には67自治体、一般団体37団体、全国104カ所にて約800人規模で実施。自身も養育里親として12歳女児と暮らし、2017年NHK奈良放送局「なら この人」として特集される。

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