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夫婦の給料日が違う家庭の上手な家計簿のつけ方を教えてください。

掲載日:2017年9月12日

秋田県在住 佐藤 典子さん (仮名)

支出が多く、なかなか貯蓄ができません。子どものために貯蓄もしたいし家族旅行もしたいので、家計簿をつけ始めました。ところが、夫の給料日が毎月月末、私の給料日が毎月15日で、支出の多くは26、27日なので、どうつけていいのかわかりません。夫婦でバラバラな給料日の場合の家計簿の上手なつけ方を教えてください。

(家計状況)

家族構成 45歳会社員
妻(相談者) 41歳パート
長女 8歳(小学3年生)
毎月の収入
(手取り)
250,000円
120,000円
その他収入 40,000円
収入合計 410,000円
毎月の支出 住居関連費 50,000円
食費 40,000円
水道光熱費 30,000円
通信費 30,000円
医療費 15,000円
雑貨・被服・理美容費 10,000円
娯楽・交際費 0円
小遣い(夫) 0円
小遣い(妻) 0円
自動車関連費 9,000円
保険料 8,630円
教育費(学校) 4,100円
教育費(塾・おけいこ) 4,000円
支出合計 200,730円
収支金額 209,270円
賞与収入
(手取り)
250,000円
0円
250,000円
その他の
年間支出
0円
現在の貯蓄額 0円

【保険の加入状況】

長女:
学資保険 月額保険料8,630円

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回答まずは支出の現状をしっかり把握した上で予算立てをしましょう。予算立てをすると家計簿への記入は最小限で済みますよ。

(ファイナンシャルプランナー 中垣 香代子からのアドバイス)

ご夫婦の給料日がバラバラなために、家計簿をどうつけていいのか分からないのですね。家計簿のつけ方もさまざまな方法があります。今日は、子育ても仕事も家事も頑張るママのための「かんたん家計簿」のつけ方をお伝えします。
かんたん家計簿で、貯蓄も旅行もできる家計作りを始めましょう。

◆ステップ1.支出状況を把握しましょう

家計の見直しをする上で一番大切なことは、現状をしっかりと把握することです。

お知らせいただいた家計状況を見ますと、月間収入41万円に対し月間支出20万730円、賞与収入25万円に対し年間支出0円となっています。この数字ですと、毎月約21万円、賞与を含めて年間約280万円の貯蓄ができる計算となります。ところが現在の貯蓄額は0円ですから、把握できていない支出が約280万円あることになります。

このように、何に使ったのかわからない支出を「使途不明金」といいます。「使途不明金」は家計見直しの大敵です。最初に支出の現状をきちんと把握しましょう。

そのために、1カ月間でよいので、使ったお金を全て洗い出してみましょう。レシートは必ずもらい、レシートのない支出についてはメモ書きをします。面倒かもしれませんが、家計改善のため1カ月だけ頑張りましょう。この間は、収入や残高を気にする必要はありません。支出の把握に注力してください。

同時に、毎月ではないけれど年に数回使うお金、(旅行や帰省費用、スーツなどの衣料費など)数年に1回使うお金(自動車の車検費用や家賃の更新料、冠婚葬祭費用など)を通帳やクレジットカードの利用明細から抜き出します。それからSNSを利用されていれば、その投稿履歴にも支出のヒントがありそうですね。

◆ステップ2.予算を立てる

支出の現状がつかめたら、次は予算立てです。

(1)貯蓄する金額を決める:今後、何のために・何年後・いくら必要になるのかを書き出し、それをかなえるためには、毎月いくらずつ貯蓄したらいいのかを計算します。残ったお金を貯蓄しようとしても、なかなか貯めることはできません。貯め上手さんになるには、「先取り貯蓄」が必須です。
佐藤さまの場合は、「緊急予備資金」を最優先で貯めましょう。緊急予備資金とは、不測の事態が起こり予定通りの収入が得られない場合に生活費にあてる資金のことで、生活費の3~6カ月分を備えておくと安心です。
児童手当は「教育資金」として貯めましょう。現在小学3年生であれば、あと6年半分、78万円の受給が見込めます。仮に学資保険の満期保険金が200万円だとすれば、278万円の教育資金が準備できる予定です。旅行や帰省費用、車検費用などは「年間支出」として貯めましょう。
ほかには、家電やPC、自動車などの大きな買い物用に貯蓄をしておくと、急に必要になったときも慌てずにすみます。

(2)固定費を算出する:家賃・水道光熱費・通信費・保険料・教育費など、毎月支出金額がほぼ一定の「固定費」がいくらなのか計算します。

(3)収入から貯蓄、固定費を差し引いて残った金額が「変動費」で、「やりくり費」とも呼ばれています。家計簿はこの変動費の支出だけ記入すればOKです。

佐藤さまの使途不明金が解明されたとして、仮の予算を立ててみました。

仮の予算には、お小遣いを設定しました。ランチ代・化粧品代・嗜好品代はお小遣いから、洋服代は家計費からなど、ルールをきちんと決めておくとよいでしょう。
また、貯蓄で賄えるようになるまでは、不測の事態に備えて保険に加入することを考えてもよいですね。今回は次の3契約の保険料を予算に組み込みました。

  • (1)夫が万一の場合はお子さまが23歳になるまで、また、重い介護状態になった場合は5年間、毎月10万円ずつ保険金がもらえる就業不能保障付きの死亡保障保険(保険料約7,000円)
  • (2)夫が入院したとき、1日あたり5,000円受け取れる医療保険(保険料約2,500円)
  • (3)妻が入院したとき、1日あたり5,000円受け取れる医療保険(保険料約2,000円)

◆ステップ3.実行・記録する

予算立てしたものを、実行しやすいように表にまとめてみました。

(1)夫の収入25万円のうち、緊急予備資金として2万円を貯蓄用の口座に移し、固定費と予備費4,900円の合計15万円を給与口座に残します。残りの8万円を現金で引き出し、そこからお小遣いを引いた5万5,000円を翌月の1日~15日までの変動費にあてます。

(2)妻の収入12万円のうち、緊急予備資金と年間支出用として4万5,000円を貯蓄用の口座に移し、固定費と予備費3,000円の合計5,000円を給与口座に残します。7万円を現金で引き出し、そこからお小遣いを引いた5万5,000円を当月16日~31日までの変動費にあてます。

(3)その他の収入は全額貯蓄します。

※「年間支出」は、給与から積み立てた金額と賞与で賄います。

佐藤さまは、ご夫婦の給料日がバラバラなので家計簿がつけにくいのでしたね。
この方法ですと、銀行に行くのは、それぞれの給料日だけ。家計簿の記入は、毎月金額が変わる変動費(表の黄色の部分)「食費、医療費、雑貨・被服・理美容費、娯楽・交際費」だけでよいのです。
毎月1日の収入欄に5万5,000円と記入し、1日~15日の変動費(黄色の部分)の支出を記入する。16日の収入欄に5万5,000円と記入し16日~31日の変動費の支出を記入します。

いかがですか?これならば続けられそうではありませんか?

おさらいしましょう。
ステップ1.現状把握
ポイントは、月単位で把握すべき支出と年間で把握すべき支出を分けること

ステップ2.予算立て
貯蓄額、固定費、変動費の順に決めること

ステップ3.実行・記録
変動費(やりくり費)の部分だけ家計簿をつける

ステップ1と2は手間がかかりますが、一度家計管理のスタイルを決めてしまえば、あとはステップ3を繰り返すだけで貯蓄が増えていきます。
佐藤さまもご自身の家計状況に沿った数字に置き換えて、旅行も貯蓄もできる家計を目指し、お試しください。

コラム執筆者プロフィール
中垣 香代子(なかがき かよこ)

中垣 香代子の写真

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

損害保険会社に約10年勤務後、子育てに専念。約20年間の専業主婦の後、ファイナンシャルプランナーとなる。
「老後のお金サポーター」として、相談業務の他、40~50歳代女性にお金の知識をわかりやすく伝える活動をしている。また、自身の経験から、経済的理由で進学をあきらめるお子さんが一人でも減ることを願い、就学支援の情報発信にも力を入れている。
老後のお金を一緒に考える事務所 所長。

コラム監修者プロフィール
柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)

柳澤 美由紀の写真

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。
相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。

家計アイデア工房 代表

  • ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
  • ※ 掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。

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