自動車保険の保険料について ~等級の引き継ぎ(家族間)とは?~
同居の親族間なら等級は引き継げる
子どもが18歳を過ぎて車の免許を取ると、その子どもが運転する車を新たに購入するケースもあると思います。その際、普通に子どもを主な運転者として新規の自動車保険を契約しようとすると、子どもの契約は、通常6等級(19%割引)からスタートします。また、18歳になって間もないうちだと、年齢区分も全年齢担保となって、保険料は相対的にかなり高めになってしまうといえます。そこで、自動車保険の仕組みを上手に使って、トータルの保険料をお手頃にするためには、どうしたらいいのかを考えてみましょう。
具体的な方法として考えられるのは、「親の等級を引き継ぐ」という方法です。条件としては、同居の親族間などに限定されますが、例えば、現在、親が契約している自動車保険の等級(20等級)を、子どもが運転する車に引き継ぎます。この場合、子どもが運転者となるため、年齢区分は全年齢担保に、免許証の色は免許を取ったばかりであればグリーンの設定になります。そして、これまで親が運転してきた車は、新規として自動車保険を契約するわけです。そうすると、年齢の低い子どもが運転する車の自動車保険料は、仮に20等級だと63%の割引になり、親が運転する車の自動車保険料は、等級が6等級になってしまうものの、高齢の年齢区分での契約ができますので、多少の割引が見込まれます。
※保険料の割引率は、保険会社によって異なる場合があります。
図1 等級の引き継ぎ有無の例
したがって、一般的な話として、親がこれまでどおりの契約を続けて、子どもが新規の自動車保険に加入するという組み合わせよりも、子どもが親の等級を引き継いで、親が新規の自動車保険に加入するという組み合わせのほうが、トータルの保険料負担は軽くなると考えられるわけです。
セカンドカー割引を使うと、さらにお手頃な保険料になる場合も
子どもが親の等級を引き継いで、親が新規で自動車保険を契約する場合に、セカンドカー割引を利用すると、より保険料がお手頃になる可能性があるといえます。
つまり、以下の図2のように、親の等級を子どもの車(図2「車:B」)に引き継ぎます。
そして、これまで父親が乗っていた車(図2「車:A」)は、新たに自動車保険に加入する必要があります。その際、これまでの等級が11等級以上などの条件を満たしていれば、セカンドカー割引を利用することができます。セカンドカー割引を利用すると、等級が6等級ではなく、7等級からスタートできることになるので、トータルの保険料をよりお手頃に抑えられる可能性があります。
また、セカンドカー割引は、1台目の車を契約している自動車保険会社とは別の保険会社であっても、利用する旨を保険会社に申告すれば、利用することができます。
図2 セカンドカー割引の例
実際の細かな取り扱いは、保険会社ごとに異なる可能性がありますが、現在、契約している保険会社に問い合わせいただき、トータルの保険料を一番お手頃にできる方法があるかを相談してみましょう。補償内容が同じであれば、保険料は安価なのに越したことはありません。保険会社ごとの比較も忘れずに行ってみましょう。
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コラム執筆者プロフィール
菱田 雅生 (ヒシダ マサオ) マイアドバイザー.jp®登録 - 早稲田大学法学部卒業後、大手証券会社を経て独立系ファイナンシャルプランナーに。平成20年、ライフアセットコンサルティング株式会社を設立。
資産運用や住宅ローンなどを中心に、相談業務や原稿執筆、セミナー講師等に従事している。
ファイナンシャルプランナー 菱田 雅生
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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