相談事例方式:シングルマザーの保険見直し

今回は、半年前に離婚したシングルマザーで、自分が万一のときの保障がないことを不安に思って保険のことを真剣に考え始めた方の事例をみていきましょう。
ご相談者プロフィール
母:パート32歳 子ども:2歳 お住まい:賃貸 貯蓄:150万円
現在の保険加入状況
保険料8,900円/月
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学資保険(※)
子ども18歳時 満期保険金200万円受け取り予定 - ※学資保険は契約者・保険料支払口座を父親から母親に変更し、離婚後は母親が保険料を負担している。
ご希望
- ・自分に万一のとき子どもが困らないように死亡保障を確保したい。
- ・現状、病気やケガをして手術や入院をした場合の備えが全くないので、医療保障が欲しい。
- ・負担が少なくて済むのであれば最近よく聞く先進医療の保障をつけたい。
- ・実家に頼れず家賃もかかるので保険料は極力抑えたい。
見直しのポイント:現状とご希望のギャップ
- ・現在は母親の死亡保障が学資保険の200万円だけですので、生活費と大学卒業までの教育費を踏まえ死亡保障を手厚くすることを検討する。
- ・医療保障は、新規で医療保険への加入を検討する。
- ・先進医療(※)保障は、医療保険の特約で備えることを検討する。
- ・保険料と保障のバランスを考え、保険料をなるべく抑える。
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※先進医療
厚生労働大臣が指定した先進性の高い医療技術のことで、技術料は公的医療保険制度の対象外となり、高額となる場合があります。
解決策
- ① 死亡保障については、母親が一家の大黒柱なので、遺族年金(※1)のほかに2,400万円程度を万一のときの子どもの生活費と教育費として確保します。そのため「月額10万円・保障期間20年」の収入保障保険を検討します。母親が万一のときには月10万円を受け取ることができる保険です。子どもが大きくなるにつれて必要な死亡保障額は減少しますので、保障額が減少していく収入保障保険(※2)がおすすめです。定額の定期保険より保険料はお手頃になります。
- ② 医療保障については、保障は一生涯で保険料が今後上がらない医療保険へ加入し、パートで仕事を休むと収入が減少することを考慮し、入院日額1万円を設定します。
- ③ 高額な先進医療への備えとして、医療保険に「先進医療特約」を付加します。先進医療特約は、各保険会社の保険商品によって違いがありますが、保険料は月々100~150円程度で、技術料1,000万~2,000万円の保障を得ることができ、万一のときのお金の不安を解消することができます。
- ④ 保険料をなるべく抑えるため、医療保険の保険料の支払い方は短期払いではなく終身払いを選択します。
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※1遺族年金
国民年金に加入している親が亡くなっても、子どもが18歳までは国から年金形式でお金を受け取ることができる。ただし、国民年金保険料が未納の場合は受け取ることができないので注意が必要。収入が少ない場合は保険料が減額・免除される規定もある。 -
※2収入保障保険
被保険者の死亡時に、死亡・高度障害保険金を一時金ではなく、分割して月単位、年単位で受け取れる保険。希望すれば一時金で受け取ることもできるが、保険金総額は減少する。
ご提案保険内容
保険料約5,400円/月
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死亡保障
A社収入保障保険 2,400万円(52歳迄支払) 約1,400円/月 -
医療保障
B社医療保険 入院日額1万円(終身払) 約4,000円/月
保険料を抑えつつ相談者のご希望を満たすご提案ができました。「離婚後不安なことが多かったが、お手頃な保険料で必要な保障を得ることができたので安心した」と納得していただけました。学資保険は子どもの教育資金をしっかり確保するため継続します。
保険について考える時間がないというシングルマザーの方が多いかもしれませんが、お手頃な保険料で不安を取り除ける場合も多いので、一人で悩まず一度ご相談されることをおすすめします。
(注)保険料等の数字はあくまでも概算数字ですので、実際の保険料とは違う場合があります。

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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。

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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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