個人年金保険の保険料の平均
生命保険文化センターが行った、平成24年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、個人年金保険の世帯年間払込保険料は、全体の平均で19万2,900円となっています。分布をみてみると、12~18万円未満と回答した割合が23.2%と一番多く、次いで6~12万円未満16.9%、6万円未満15.0%と続いています。月額にすると、5,000円から10,000円程度を個人年金保険の保険料として支払っている方が多いというイメージでしょうか。
世帯年収別にみてみると…
世帯年収別にみてみると、個人年金保険の世帯年間払込保険料(各年収層の平均値)が最も高いのは、年収が1,000万円以上の世帯で、27万4,800円。次いで年収層の順に、個人年金保険の世帯年間払込保険料は減っていくのですが、200~300万円未満では極端にその金額が落ち込み、11万1,000円となっています。これは、200万円未満の世帯の16万6,000円よりも低い金額となっています。
ライフステージ別にみてみると…
次に、ライフステージ別にみてみましょう。最も個人年金保険の世帯年間払込保険料(各ライフステージの平均値)が高いのは、末子が就学終了、つまり教育費の負担がなくなった時期の世帯で、26万5,200円。反対に、最も低いのは、末子が保育園児・幼稚園児である時期の世帯で、11万9,100円となっています。そして、末子が小・中学生になった時期から、少しずつその金額が増えていきます。
世帯主の年齢別にみてみると…
また、世帯主の年齢別にみてみると、最も個人年金保険の世帯年間払込保険料(各年齢層の平均値)が高いのは、55歳以上59歳以下の年齢層で、29万1,300円。最も低いのは、29歳以下の1万円、次いで35歳以上39歳以下の層は12万1,200円となっています。
子どもが保育園児・幼稚園児となる時期は、平均初婚年齢である約30歳から考えてみると、世帯主が30代前半の頃と考えられます。その年齢層の平均年収は、平成25年の家計調査によると約440万円です。先ほどの世帯主の年齢別にみたデータと合わせて考えてみると、限られた収入の中で、子育てのための支出が多い時期には、個人年金という自分たちの老後の準備にまで目を向けることができない様子がうかがえるように思います。
堅実に老後のことを考えている?
しかし、調査結果をみると、年齢を重ね、収入が増えていくにつれ、個人年金保険の世帯年間払込保険料も増えていくことが読み取れます。現在はまだ老後のことに目を向ける余裕がないという方も、時期が来れば堅実に老後の準備をしようと考えている方が多いのかもしれませんね。ただ、個人年金保険を利用して老後資金の準備をしていくのであれば、その保障内容も把握しておきたいものです。個人年金保険とひとくちにいっても、その保障内容は保険会社によっても異なりますし、タイプも運用の形や給付期間等によりいくつかに分類されます。
現在加入している、もしくは加入しようとしている個人年金保険は、いつから受け取ることができて、最終的にいくら受け取ることができるのか、きちんと把握することが大事です。また、上記データによる保険料の平均値はひとつの目安ではありますが、そればかりに目を向けて老後の準備を進めることで、現在の生活が苦しいと感じるのは本末転倒です。
自分にはどのような個人年金保険が適していて、個人年金保険にかける保険料がどれくらいであれば無理なく老後のために準備ができるのかを考えるために、現在の家計収支の状況を再点検するところから、改めて考えてみてはいかがでしょうか。
-
コラム執筆者プロフィール
キムラ ミキ (キムラ ミキ) マイアドバイザー.jp®登録 - 鳥取県立米子東高等学校卒業後、日本社会事業大学 社会福祉学部 福祉計画学科にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP、社会福祉士を取得。大学卒業後、アフラックでの保険営業を経て、株式会社アゼル(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わる。その後FP会社でのスタッフ経験を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。
ファイナンシャルプランナー キムラ ミキ
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。