「C型肝炎」と保険について
「C型肝炎」とは、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで起こる、肝臓の病気です。「C型肝炎」は感染者の血液に接触することで感染するといわれており、輸血や止血剤フィブリノゲン等の血液製剤投与、臓器移植、注射針の使いまわし、剃刀の共用等で感染の可能性があります。ただ、常識的な生活をし、他人の血液に触れることがなければ、まず感染することのない病気です。
現在、日本におけるC型肝炎ウイルス(HCV)感染者は、約150~200万人とみられていますが、感染しても自覚症状がないため気付かない方も多く、知らないうちに症状が進行するので非常に厄介です。
C型肝炎ウイルス(HCV)に感染すると、一部の方は急性C型肝炎を発症しますが、多くの方はすぐには発症せず、持続感染状態(キャリア)となります。そして、その後数年(数十年)経過後に慢性肝炎を発症したり、さらに一部の方は肝硬変、肝臓がんに進行します。ただし、感染がわかった後に適正な治療を継続して受けることで、発症せずに済むこともあります。感染がわかったら、すみやかに治療を受けるようにしましょう。
さて、C型肝炎ウイルス(HCV)キャリアの方が保険に入りたいとなれば、どうなるでしょうか。一般的には、C型肝炎ウイルス(HCV)キャリアの方は、慢性化することが多く、継続治療が必要なため、保険加入は厳しいといわざるを得ません。
しかし、きちんと治療を受けており、かつその症状が一定の条件を満たしている場合、特別条件付きで加入できるケースもあります。まずは、身近なプロに相談してみましょう。
そして、「引受緩和型保険」「無選択型保険」であれば、症状によってはより加入できる可能性が高くなります。例えば、ある生命保険会社の「引受緩和型医療保険」においては、「過去2年以内に入院・手術をしていないこと」「過去5年以内に、がん・上皮内新生物で入院・手術をしていないこと」「がん・上皮内新生物、慢性肝炎、肝硬変の治療中ではないこと」「最近3ヵ月以内に、医師から入院・手術をすすめられていないこと」の4項目全てを満たせば加入できます。
もちろん一般の保険に比べ、保険料は割増されていますが、内容をよく確認し、納得できる内容であれば「引受緩和型保険」「無選択型保険」を検討するのもよいでしょう。
大切なことは、「保険加入ありき」で考えるのではなく、保障と保険料のバランスをしっかり考えること。そういった意味では、自分にあった保険選びをサポートしてくれる、身近なプロに相談することをおすすめします。
-
コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 奥田 知典
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。