がんでも入れる保険
生涯のうちに「がん」にかかる可能性
厚生労働省の統計によれば、がんは日本人の死因第1位で「日本人の3人に1人ががんで死亡している」ともいわれています。
また、生涯のうちにがんにかかる可能性は、男性で2人に1人、女性で3人に1人と推測されています。
がんは我が国においていまや「国民病」といっても過言ではない時代。それでも昔は「がんは他人事」と思っていた私も、実は30代でがんが発覚したがん経験者です。
がんと告知されたときに、真っ先に頭に浮かんだのは家族のこと、余命のことでした。しかし、少し落ち着いて考えてみると、気になったのが治療費、つまりお金のことでした。
恥ずかしながら、私は以前生命保険会社に勤務していながら、退職してから保険を解約してしまいました。
「私は大丈夫。私はがんにならない…だから今は、保険料節約のためにも保険を解約して、40歳になったらちゃんと保険に入ろう」という根拠のない自信から、そのような行動をとりました。
しかし再び保険に入る前にがんが発覚。保険は入れるうちが花だと実感した出来事です。
ちなみにがん闘病中「がん保険に入っていたから保険金が支払われたの。本当に助かったわ」と笑う患者仲間の笑顔がまぶしかったです。
一度がんを経験すると、再発・転移のリスクがあるため、保険に入ることがとても難しくなります。
治療費以外にもがんにはお金がかかる
がんにかかるお金は、治療費以外にも実にたくさんあります。
例えば抗がん剤による脱毛用のウィッグ。安いものなら数千円から、国内大手メーカーでは数十万円するものもあります。
病院に定期的に通うとなると、交通費もかかりますし、がんについて調べるための書籍代もかかります。
抗がん剤投与により体力が低下した場合は、食事を作れないのでお弁当を買う、家事ができないので誰かに頼む等、体力温存のためのやむを得ない支出も発生してきます。
がんを経験したからこそ、こうした「お金の心配」に備えられるような保険の重要性を実感します。
がんでも入れる保険がある
一度がんを経験してしまうと、いつか再発するのだろうか?転移するのだろうか?といった「先の見えない恐怖」がしばらく続きます。
また、もしそうなった場合「治療費を払い続けることができるのだろうか」「仕事を継続できるのだろうか」といった不安も出てきます。
そうした時、がんでも入れる保険があるというのは、ある意味とても心強いといえますね。
ただし、加入者の健康状態を問わない、もしくは過去にがん等の病歴があっても、保険に加入できる等の引き受けを緩和した保険は、保険料も割高になります。
また、保険加入後は一定期間、病気のための入院・手術のいずれもしていない場合に保障の対象になる、もしくは保険加入後一定期間は保険金が半額になる等の支払い条件が付くことがほとんどです。
加入を検討する際には、支払い条件等も確認しましょう。
保険料が割増されていても、がん治療のために仕事を辞めてしまっても、保険料を払い続けて大丈夫なのか試算してみましょう。
ほかの保険とのバランスや預貯金とのバランスも考え、必要な保障を厳選する必要があります。
がんでも入れる保険があると、いざというときの心のよりどころになりますが、加入を検討する場合は「本当に受けたい治療はどんなものか?」「それは貯金では賄えないのか?」等を考慮した上で、検討されてはいかがでしょうか。
また病気になったら…既往歴があっても入れる保険って?
気になる 無選択型医療保険 を調べる-
コラム執筆者プロフィール
高見 みほこ (タカミ ミホコ) マイアドバイザー.jp®登録 - 大学卒業後、住友生命保険にて保険営業に5年従事。
結婚退職、専業主婦として子育て中の2005年、乳がん発覚。
がんの知識が乏しかったために、早期発見できなかった自らの経験から、「他の女性には、私と同じ経験をして貰いたくない」という想いに至る。
現在は女性目線で「がんの早期発見のポイント」「がんに備えるお金の話」などを執筆、セミナーで情報発信している、がん経験ファイナンシャルプランナー。モットーは「がんで泣く女性を1人でも減らしたい」。
ファイナンシャルプランナー 高見 みほこ
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
掲載日:2020年05月15日
がんでも入れる保険は主に2種類
がんの経験のある人が加入を検討できる医療保険は、主に以下の2種類があります。
- 引受基準緩和型保険
- 無選択型保険
がんを経験した後でも入れる医療保険があるのは、現在保険に入っていない人には、朗報かもしれません。
それでは、1つずつみてみましょう。
引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険は、一般的な保険より加入の条件が少なく設定されたもので、持病があったり、過去の病気で加入を諦めたりしている人でも入りやすくなっている医療保険です。
ただし、一般的な保険よりも保険料が割増しされていることが通常です。
無選択型保険
無選択型保険は、告知や医師による診査なしで入れる医療保険です。「引受基準緩和型保険」よりもさらに審査ハードルを下げた保険です。
ハードルが下げられた分、通常は引受基準緩和型保険よりもさらに保険料が高くなります。
がんを経験してから保険加入を考えた場合、一般的な保険より保険料が高くなるなどの現実に直面し、悩むこともあると思います。
これからの安心と、保険料の負担などの折り合いを考えることが重要になるでしょう。