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自然災害における火災保険や地震保険の補償と公的支援

自然災害における火災保険や地震保険の補償と公的支援のイメージ

近年、自然災害が頻発しています。大地震だけでなく、昨年7月の熱海では台風豪雨による土石流災害で数多くの家屋が崩壊し、27人の命が奪われました。

そのような自然災害に見舞われ、家屋を失ったときに支えになる火災保険や公的支援について、今回はお話ししていこうと思います。

値上がりを続ける火災保険

頻発する自然災害により、損害保険会社の火災保険金の支払いが増大し、近年、保険料の値上げが続いています。昨年も、損害保険料率算出機構により、保険料算定の基礎となる「参考純率」の平均10.9%引き上げが発表されました。

表1 2018~2020年度に発生した主な風水災による支払保険金調査結果(各年度末時、見込み含む)
※スクロールで表がスライドします。

年度 主な風水災 支払保険金
(火災保険)
2018年度 7月豪雨(西日本豪雨)
台風21号
台風24号
1,520億円
9,202億円
2,856億円
2019年度 台風15号(房総半島台風)
台風19号(東日本台風)
10月25日の大雨
4,244億円
4,751億円
155億円
2020年度 1月7日からの大雪
7月豪雨
台風10号
416億円
848億円
932億円

資料:一般社団法人 日本損害保険協会ホームページ[1]をもとに執筆者作成

自分の加入している火災保険から保険金は支払われるの?

住宅ローンを組んでマイホームを購入する際には火災保険の加入が必要になる場合が多いです。前段の保険料の値上げは、これから新規で火災保険に加入するか、見直しをして再加入する場合に影響します。

火災保険と一口で言っても、さまざまなプランがあります。水災補償が付加されていない場合は、豪雨、台風等で家屋が被災しても補償の対象外です

水災補償をはじめ、自分に必要な補償を検討することが重要です。現在、火災保険に加入中の方は、火災保険の証券を確認し、分からない場合は加入している保険会社に電話等で契約内容を聞くことをおすすめします。

地震やそれによる火災等の損害は、地震保険に加入していないと保険金が支払われません。2011年の東日本大震災をきっかけに、地震保険に加入したという方もいると思いますが、今後も地震保険の必要性は考え続ける必要があるでしょう。

図1 火災保険の補償範囲(プランごとの例)

図1 火災保険の補償範囲(プランごとの例)のイメージ

※プランの名称や詳細内容は保険会社によって異なる場合があります。

資料:執筆者作成

住家を失ったときの公的支援は?

地震、水害等により、家屋損壊した場合、地震保険や水災特約未加入の場合でも、公的支援として、災害救助法被災者生活再建支援法による給付を受けることができます

いずれも被災後に自治体に罹災(りさい)証明書を提出した後、担当者が状況確認を行い、被害区分が認定されます。

災害救助法は、半壊以上の場合に1世帯当たり最大59.5万円が給付されます。借家の場合には家主が修理をしない場合が対象です。

被災者生活再建支援法の場合も災害救助法と同様に、住家の被災状況の区分認定を受けます。再建、新規購入の場合は最大300万円、補修の場合は最大200万円、賃貸の場合は最大150万円が給付されます。

表2 災害救助法、被災者生活再建支援法の支給額

災害救助法
半壊以上 最大59.5万円
準半壊 最大30万円
障害物の除去 最大13.7万円
被災者生活再建支援法
再建、新規購入 最大300万円
補修 最大200万円
賃貸の場合 最大150万円

※いずれも支給には一定の条件があります。

資料:執筆者作成

耐震化と耐水化の必要性

地震保険、水災補償を付加した火災保険に加入し、公的支援を受けたとしても、全壊となった家屋などを再建するための建築費用を全て補える金額には達しない場合がほとんどです。また、全壊した家屋の住宅ローンが残っていた場合には、その住宅ローンも支払わなければなりません。

被災から数年経っても資金の問題により住宅再建をできないという方も多数いるようです。

家屋損壊を抑える「減災」という考え方から、現在の住まいの耐震補強耐水補強をするという方法があります。新築の場合なら、耐震免震住宅を購入すれば、費用負担は増えますが、住宅ローン利率が下がったり、地震保険料の割引を最大50%受けられたり、毎月の支払いを軽減することもできるのではないでしょうか。

また、家屋密集地域や災害の多い地域等では耐震補強等の補助を受けられる自治体もあるので、お住まいの自治体に確認してみましょう。

図2 建物、工法の種類(耐震化の例)

図2 建物、工法の種類(耐震化の例)のイメージ

資料:執筆者作成

まずは備えが肝要

悲願のマイホームを手に入れても、一瞬にして失うこともある自然災害の脅威。

安心安全のために、住み慣れた町から災害リスクの低い地域へ転居する方法もありますが、それには資金が必要になるだけでなく、ご家族の環境の整備などあらゆる準備も必要となります。

まずは、現在の住家の火災保険に水災補償を付加すること、地震保険に加入することを考えましょう。そして、平時のうちに、住家の損壊リスクを減らすための耐震・耐水対策をしっかりとしておくことが肝要です。

出典

執筆者プロフィール

勝田 謙一の写真

勝田 謙一カツタ ケンイチ

AFP、防災士

大学卒業後、大手生命保険会社、外資系保険会社を経て、2014年に勝田FP事務所を開業。自然災害被災者への情報提供の必要性から、SNSグループを開設。現在、自助・共助・公助を生かしたコロナショックからの生活再建相談、執筆活動、オンラインセミナーなどを展開。
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  • ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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  • ※ 掲載日は2022年3月10日です。
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