震災後から1年、改めて「がん保険」を考えよう
東日本大震災が発生して、あっというまに1年が過ぎました。
震災の影響は国民の保険に対する考え方も変え、特に地震保険やがん保険への関心が高まったようです。
特にがん保険については、原発事故の影響からがんになる可能性が高くなるだろうという懸念から加入された方が増えているようですが、そのような不安を煽るようなテレビの特集や雑誌の記事も多く見受けられます。
原発事故の影響が今後どれくらい、がんへのリスクを高めていくのかは、まだまだ未知数ですが私のところに相談に来られる方には「冷静になって、そもそもがん保険の必要性やがん保険の保障について理解するところから始めましょう」と、アドバイスしています。
最近は医療費を貯蓄で賄おうとする傾向がありますが、それは健康保険や高額療養費制度があることが前提のこと。
がんについては症状の進行具合によってはその両方とも適用できない可能性があるため、貯蓄では治療費が賄えなかったり、仮に賄えたとしても貯蓄金額が大幅に減ることによって病気後のライフプランに大きな変更を余儀なくされる可能性があります。
保障について注目した場合、がん保険については最近は各社特徴のある商品が出ており、診断給付一時金の額が大きく設定できるもの、通院の保障が手厚いもの、がん治療期間の収入減を補填してくれるもの、かかった医療費をすべてカバーしてくれる実損保障型のもの等、様々です。
いろいろな選択肢があることは、逆にどれに加入すればいいのか迷うかもしれませんが、商品のバリエーションが多いということは、よりマッチした保障を見つけられる可能性が高いとも言えますので、選択に悩まれた場合は専門家に相談することをお勧めします。
もちろん、「とにかくがん保険に加入していることで安心が得られる」という方には、加入することを止めることは致しませんが、毎月保険料を払い、払い続けた総額を考えると結構な金額になる割には活用できるかどうかわからない保険であることも事実です。
保障内容と保険加入による精神的な安心度合い、貯金や払込保険料の総額等について総合的に考えて加入の可否を検討されることをお勧めします。
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コラム執筆者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 山本 俊成
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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