がん保険に入らなかった場合に陥る問題とは?
がん保険の加入は問題解決の手助けになる
東京海上日動あんしん生命が『がんに関する意識調査』(2012年5月14日発表)を実施しました。「がんで怖いことは何ですか?」の問いに対する答えは、下記のとおりです。
- 1位:「がん」で死ぬこと
- 2位:「がん」の治療にお金がかかること
- 3位:「がん」で手術や抗がん剤治療を受けた場合の痛み
- 4位:「がん」で家族に迷惑がかかること
- 5位:「がん」で会社を辞めなければいけなくなること
- 6位:その他
- ※引用元:東京海上日動あんしん生命保険株式会社(がんに関する意識調査/2012年5月)
がん保険に加入することにより、すべての怖いこと(問題)を解決できるわけではありませんが、手助けにはなります。
特に、2位の「がんの治療にお金がかかること」は、力強い支えになるでしょう。やはり、がんは再発・転移が心配な病気です。
それを食い止めるためや、再発・転移してしまった場合の治療など、貯蓄だけで対応するのは心細いものです。
また最近は、最先端のがん治療技術が開発されています。これらは先進医療として、技術料の全額を自己負担する必要があります。
もし、先進医療を受けることになると、さらに治療費負担が大きくなることが予想され、お金がかかることに対する怖さは増すことになります。
がん保険は、がんと診断されたときにまとまったお金が支払われる「診断給付金」、1日目から日数無制限で支払われる「入院給付金」、手術を受けると支払われる「手術給付金」を基本保障として、「通院給付金」「退院療養給付金」「先進医療給付金」などの保障がセットになっています。
最近の特徴として、「通院給付金」は、入院を伴わなくても給付金が支払われる商品が増えています。先進医療の保障もセットされている商品が増えているのも特徴です。
通院給付金が入院を伴わなくても支払われるよう改良された商品が増えたのは、最新のがん治療の実状に合わせたためです。
最新のがん治療は、手術・放射線治療・抗がん剤治療を効果的に組み合わせた「集学的治療」が主流になっており、それに伴って、治療は通院で行われることも多いからです。
がん保険選びは、今の治療事情に合っているかもチェックしましょう。
- がん保険選びの豆知識
- 先進医療の技術料負担のしくみとは?
- がんを含む難病などの新しい治療や手術などは、ある程度実績を積んで確立されると、厚生労働省から「先進医療」と認められます。
- 先進医療は公的健康保険の対象外なので、技術料の全額は自己負担となります。技術料は数万円から300万円前後までと様々です。
- 高額な先進医療を勧められたとき、お金がないことで受けない選択をすると後悔するかもしれません。先進医療の保障はつけておくといいでしょう。
ファイナンシャルプランナー 小川 千尋
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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掲載日:2020年3月31日
がん保険に入らない場合、治療の費用はどうなる?
がん保険に加入しない方は、がんになったときにかかる費用を全て自身で賄うことになります。
「がん保険は不要」と思っている方も、一度がん治療でかかる費用の目安を知り、本当にがん保険は不要なのか考えてみましょう。
がんの平均入院日数と費用
がんになった際の平均入院日数は、厚生労働省「平成26年(2014)患者調査の概況」ならびに「平成29年(2017)患者調査の概況」によると、2014年の統計では19.9日だったことに対し、2017年の統計では17.1日でした。
約3年間という短い期間で、およそ3日近くも短縮しています。
また、厚生労働省「平成29年度医療給付実態調査」によると、2017年度にがんの治療でかかった平均費用は、入院した場合で1日58,946円、通院の場合で1日37,102円となっています(国民健康保険加入者を対象とした診療費の統計であり、自己負担額とは異なります)。
高額療養費制度の適用
公的医療保険を適用した医療費の支払いが1カ月(月初め~月末日)の間に一定の金額を超えた場合、超えた分の金額が返ってくる「高額療養費制度」という制度があります。
ただし、医療費が返ってくるのは受診した月から少なくとも3カ月ほど後になりますので、一時的ですが自身で大きな医療費を負担する必要がある場合もあります。
先進医療を受けると医療費が高額になることも
先進医療にかかる技術料は全額が自己負担となりますが、例えば2017年7月1日~2018年6月30日の1年間で、がんの治療に使われた先進医療技術とその技術料(平均費用)の例を挙げると、次のようになります。
がん治療(先進医療)にかかった平均費用
技術名 | 平均費用 |
---|---|
重粒子線治療 | 3,133,672円 |
陽子線治療 | 2,716,016円 |
資料:厚生労働省「平成30年6月30日時点における先進医療Aに係る費用」をもとに作成
先進医療を受ける際の入院費用や薬代などは公的医療保険の適用対象になりますが、自己負担額は少なからず発生します。
先進医療の技術料全額や、その他の医療費自己負担額を含めて考えると、がん保険に加入していない場合に、自分で賄わなければならない支払金額は300万円を超える可能性があることにも、留意しておく方が良いでしょう。