終身保険に入る前に知っておきたいこと

終身保険の種類

掲載日：2015年10月16日

更新日：2020年7月14日

以下に主な終身保険の種類を列挙しました。種類によって異なる特徴をまとめています。前提として、いずれの種類も一生涯の保障が継続するという基本的な終身保険の特徴は有しています。終身保険に共通する他の特徴については、「終身保険の特徴」で確認してください。

定額終身保険

契約時に定めた保険金や解約返戻金の金額が、運用成果に関係なく約束されている終身保険です。（反対に、保険会社の運用実績によって保険金や解約返戻金の金額が変動する保険を変額保険といいます。）
終身保険の基本となる商品です。保険料の払い込みが一定期間で満了するタイプと、終身にわたって払い込みが続くタイプがあります。図1は払い込みが一定期間で満了するタイプのイメージ図です。

図1 定額終身保険の保険料払込期間と解約返戻金の関係図

定額終身保険の保険料払込期間と解約返戻金の関係図

低解約返戻金型終身保険

保険料払込期間中の解約返戻金の返戻率を定額終身保険より低く設定（7割程度）することで、保険料がお手頃になるように作られた終身保険です。
保険料の払い込みが終わった後は、定額終身保険と同等の返戻率に戻るので、保険料の払い込みが終了するまで解約しなければ、定額終身保険に比べて少ない払込保険料で、同等の保障と解約返戻金を受け取ることができます。一方、保険料払込期間中の解約は、定額終身保険の解約返戻金よりも少なくなるので注意しましょう。

図2 低解約返戻金型終身保険の保険料払込期間と解約返戻金の関係図

低解約返戻金型終身保険の保険料払込期間と解約返戻金の関係図

積立利率変動型終身保険

積立利率の上昇によって保険金額・解約返戻金が増加する保険で、「積立利率変動型」「利回り変動型」など保険会社によって名称が異なることがあります。
保険料の中から将来の保険金支払いに備えて積み立てられる「積立金」は、他の保険種類とは区分して運用・管理されています。この積立金を運用する時の利率が、「積立利率」です。この積立利率は、市場金利に応じて一定期間ごとに見直されますので、金利変動に対応した保険といえます。積立利率が上昇し、積立金が増加するとその分、保険金額や解約返戻金が増加します。
また、積立利率には最低保証がありますので、将来、市場金利が上昇することがなくても、契約時に定めた保険金額（基本保険金額）および積立利率で算出された解約返戻金の金額は、保証されます。

図3 積立利率変動型終身保険のイメージ

積立利率変動型終身保険のイメージ

※最低保証の積立利率を1.5％とし、例示の積立利率（1.5％、2.5％）が保険期間中一定でそのまま推移したと仮定した場合のイメージ図（商品や保険会社によって異なります）

変額終身保険

保険会社の運用実績に応じて保険金や解約返戻金の金額が変動する保険です。
保険会社は、他の保険種類と区別した「特別勘定」で保険料を運用します。基本保険金額は運用実績にかかわらず最低保証されるため、運用実績が悪くなって変動保険金がマイナスになった場合でも、死亡保険金として基本保険金を受け取ることができます。一方、解約返戻金については最低保証がありませんので、運用実績次第では、払い込んだ保険料を大きく下回ることもありますので、注意が必要です。

図4 変額終身保険のイメージ

変額終身保険のイメージ

外貨建て終身保険

保険料の支払いや保険金の受け取りを日本円でなく、ドルやユーロなどの外国通貨で行う終身保険のことです。そのため、外貨（外国通貨）と円を交換する際に為替相場の変動の影響（為替リスク）を受けることになります。為替相場の変動により、為替差益が得られる場合もある一方、円で受け取る保険金や解約返戻金などが、円で払い込んだ保険料総額を下回る場合もあり、損失が生じる可能性があります。また、通常、外貨と円を交換する際には為替手数料がかかります。これらのことを理解した上で検討しましょう。

＜例＞保険金額1万ドルを円で受け取る場合