貯蓄型生命保険の貯蓄と保障のバランス
貯蓄型生命保険には「貯蓄の目的がはっきりしているタイプ」と「貯蓄の目的を保険契約者が考えるタイプ」の2つのタイプがあります。
「貯蓄の目的がはっきりしているタイプ」は、学資保険(子供保険)や個人年金保険が挙げられます。一方、「貯蓄の目的を保険契約者が考えるタイプ」には養老保険等があります。
学資保険は、高校や大学の学費に備える保険になります。商品によっては契約者に万一のことがあった場合に、その後の保険料が免除されたり、契約者死亡後に育英年金が支払われるタイプもあります。
満期時には、満期保険金が支払われます。満期は、18歳と22歳のどちらかを契約者が選択します。商品によっては中学や高校の進学時に保険金の出るタイプもあります。
個人年金保険は、保険料払込期間を60歳や65歳にしている商品が多く、年金の受取開始時期や受取方法(年金・一時金)等を選択できます。また、受取開始時期を65歳や70歳と後ろへ延ばすほど、受け取る年金額は増えます。一般的に年金額は、保険契約時に確定しています。
保険期間中に被保険者に万一のことがあった場合は、その時点までに支払った保険料相当額が死亡給付金として支払われ、保険は終了します。一時払いの定額個人年金保険や変額年金保険というタイプもありますが、今回は説明を割愛させていただきます。
養老保険は、死亡保障と満期金が同じ金額になる保険で、保険期間を数年~数十年の間で1年刻みに設定できるタイプや満期の年齢を指定できるタイプがあります。
また、終身保険を貯蓄型生命保険として活用する方法もあります。終身保険は、一生涯の死亡・高度障害を保障する保険なので上記の学資保険、個人年金保険、養老保険等のように満期保険金はありません。
しかし、保険料のかなりの部分を積み立てにあてているため、途中で解約すると、解約返戻金が支払われます。解約する時期によっては「解約返戻金>払込保険料総額」となる場合があり、貯蓄型生命保険としての活用もできます。ただし、満期保険金のあるタイプに比べると、保険会社への解約返戻金額の確認や解約の手続きなどに手間が掛かります。
最後に、貯蓄型生命保険の評価方法として「戻り率」についてみていきます。「戻り率」は「受取総額÷払込保険料総額×100(%)」で求めることができます。戻り率が高い方が「より貯蓄性のある保険」ということになります。
しかし、商品によって「万一の保障」が異なるため、商品選びには「戻り率」と「万一の保障内容」の両方の確認が必要です。
商品選択にあたっては、教育プランや年金プラン、広くはライフプランから「保障の部分」と「貯蓄の部分」のバランスを考えて選びましょう。
-
コラム執筆者プロフィール
恩田 雅之 (オンダ マサユキ) マイアドバイザー.jp®登録 - 1959年東京生まれ。
2004年3月にCFP®資格を取得。
同年6月、札幌にて「オンダFP事務所」を開業。
資産運用をテーマとした個人向けのセミナー講師や3級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得の講師やライフプラン、金融保険関連のコラムやブログの執筆など中心に活動中。
ファイナンシャルプランナー 恩田 雅之
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。