子どもにかかる教育費の目安1（小学校）
小学校の教育費は、公立か私立かで大きく変わります。文部科学省の「平成28年度子供の学習費調査」では、小学校の「学習費総額※」の1年間の平均金額は、公立に通う場合は約32.2万円なのに対し、私立は約152.8万円です。小学校に入ると塾などの習い事の費用も親としては気になるところですね。小学校でかかる教育費についてご紹介します。
※学習費総額とは、子どもを公立または私立の学校に通学させている保護者が子どもの学校教育および学校外活動のために支出した経費の総額。
小学校でかかる教育費のポイント
ポイントとして次の3点が挙げられます。
- （1）公立と私立の教育費の中身と違い
- （2）知っておきたい学童保育と中学受験事情
- （3）教育費の貯めどき
（1）公立と私立の教育費の中身と違い
1.小学校の教育費は公立と私立とで約4.7倍の差があります。
図1 小学校6年間総額での比較
資料：文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」をもとに執筆者作成
※学校教育費とは、学校教育のために各家庭が支出した全経費。授業料など学校が一律に徴収する経費の他、必要に応じて各家庭が支出する経費（学用品費、クラブ活動費、通学費、通学用品費など）の合計。
※学校外活動費とは、補助学習費（家庭内学習費・家庭教師費・学習塾費など）とその他の学校外活動費（習い事や体験活動のための費用など）の合計。
小学校でかかる費用は、1カ月あたりの負担額で考えると、公立が約2.7万円、私立は約12.7万円が平均額となります。1年生～6年生までの平均額の合計（6年間総額）では、公立なら約193.4万円、私立は約916.5万円です。私立と公立の差はおよそ4.7倍にもなります。
2.学年別でかかる費用
公立と私立、それぞれの学年別の教育費平均金額をみてみましょう。
図2 学年別教育費
資料：文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」をもとに執筆者作成
公立、私立ともに1年生の費用が高くなっています。小学校入学の際に、必要な文房具、体育用品、楽器、ランドセル、学習机などをそろえるためと考えられます。ランドセルや文房具類は、小学校入学前に準備が必要になります。2年生以降は、公立、私立ともに学年が高くなるにつれて費用がかかる傾向にあります。
（2）知っておきたい学童保育と中学受験事情
1.学童保育やファミリーサポートの費用
共働きやひとり親の家庭なら、小学校入学以降は学童保育に子どもを預けるご家庭が多いでしょう。例えば、東京都町田市では、学童保育の利用料（育成料）は、1人月額6,000円（2018年4月からは9,000円）となっていますが、減免・免除の適用もありますし、自治体によっても費用は違いますのでお住まいの自治体に確認しましょう。
お迎えが間に合わない場合や学童保育が利用できない場合に、ファミリーサポートなどのサービスの利用を検討されるご家庭もあるでしょう。ファミリーサポートの利用料は1時間700円前後からとされている自治体が多いようです。学童保育と同じように地域によって違いますので、こちらも確認しましょう。
2.中学受験を考える場合は学習塾の費用も視野に
文部科学省の「平成29年度学校基本調査」によると、2017年度の私立中学校生徒数は約24万人で、中学生全体の約7％になります。私立中学への進学は地域差も大きく、東京都では約24％が私立中学に通っています。中学受験をする際は、子どもが学習塾に通うなどの受験費用や、合格後の入学費用が小学校在学中にかかりますので、図2の教育費の平均より多くなる可能性が高いです。学習塾の費用は塾や受講教科数にもよりますが、大手学習塾では小学校6年生で4教科の場合、月約4万～7万円程度かかるのが一般的です。夏期講習の費用や塾までの交通費などがかかることもあります。中学受験をご家族で希望している場合は、塾の費用や受験費用、合格後の入学費用など、早めの準備が大切です。
（3）教育費の貯めどき
子どもの成長とともに教育費は増えていきます。子どもが小学校の間、特に公立に通う場合は「貯めどき」といわれていますので、子どもの将来のために計画的にゆとりをもって備えていきましょう。
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コラム執筆者プロフィール
加藤 葉子 (カトウ ヨウコ) - 女性とシングルマザーのお金の専門家
- 離婚を機にお金の勉強を始め、3年間で子どもの教育費を貯める。自身のブログ「女性とシングルマザーのお金の話」に全国の女性から切実なお金の相談が寄せられ、NHKのWEBコラム執筆を機に独立。3年間で1,500件以上の相談を受けている。現在は、女性ファイナンシャルプランナーのための実務講座やオンライン講座を配信中。
マイライフエフピー代表
ファイナンシャルプランナー 加藤 葉子
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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