![専業主婦・主夫の年金](https://images.microcms-assets.io/assets/bd0a9e8c88d14fbd8aa25fdb8fccc8f3/c8b8191a79a14a99885896f399e24342/89fb938a-e4ac-44a9-b290-e447aba68576.png)
![遺族年金と老齢年金は一緒にもらえる?どちらを選ぶ?60代前半の年金](https://images.microcms-assets.io/assets/bd0a9e8c88d14fbd8aa25fdb8fccc8f3/5144122c58d4400695be2375b2391410/fc63c052-39ae-44c6-847b-017b4aeb81eb.jpg)
2021.05.19
遺族年金と老齢年金は一緒にもらえる?どちらを選ぶ?60代前半の年金
配偶者を亡くした後、遺族年金は生活を支える基盤となるでしょう。また、早ければ60歳から老齢年金を受給できますが、こちらも老後生活のための大事な収入です。
遺族年金と老齢年金の受給権がある場合、両方受給できるのでしょうか?選択しないといけない場合は、どちらを選択すれば良いのでしょうか?
今回は、60代前半(60歳~64歳)で上記2つの年金の受給権がある場合について確認してみましょう。
60歳~64歳は「1人1年金」の原則が適用される
まず、日本の公的年金は「遺族年金」「老齢年金」「障害年金」の3つに大きく分けられます。
図1 日本の公的年金の種類
![図1 日本の公的年金の種類](https://images.microcms-assets.io/assets/bd0a9e8c88d14fbd8aa25fdb8fccc8f3/f012e0258f7e4489aa7123f3881adb76/6828767c-949a-4e48-b3e2-744505c1193a.jpg)
時には2つ以上の年金の受給権が発生することもあります。配偶者を亡くして遺族年金を受給していた方が、自分の老齢年金を受け取れる年齢に達した場合などが挙げられるでしょう。
そのような場合、日本の年金制度では2つ以上の年金を同時に受給できず、1つを選択することになっています。これを「1人1年金の原則」といいます。
60歳~64歳で遺族年金と老齢年金の受給権が発生すると、この原則どおりどちらかを選択することになります。
なお、それぞれの年金は「基礎年金」「厚生年金」に細かく分けられますが、同じ種類の基礎年金と厚生年金の受給権が発生したケース(例:遺族基礎年金と遺族厚生年金)は、合わせて1つの年金とみなされます。
図2 1人1年金の原則による選択の例
![図2 1人1年金の原則による選択の例](https://images.microcms-assets.io/assets/bd0a9e8c88d14fbd8aa25fdb8fccc8f3/82ca3ab7e218483c85e04ff5f98b30be/a2f68280-3790-420d-a349-725c7eefb4dc.jpg)
なお、65歳以降については特例的に2つの年金を受給できることがありますので、詳しくは次回ご紹介します。
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どちらの年金を選ぶべき?選択時に気を付けたいこと
「年金を選ぶなら、当然年金額が多い方!」と考えますが、年金額だけではなく、その他の要件も考えて選択することがおすすめです。
「税金」「在職老齢年金」「繰上げ受給の老齢年金」の3つに着目して、注意点を確認してみましょう。
・「税金」…遺族年金にはかからないが、老齢年金にはかかることも
遺族年金は年金額がいくらであっても非課税ですが、老齢年金は年金額が108万円以上(60歳~64歳の場合。65歳以降の場合は158万円以上)であれば、雑所得として税金がかかります。
そのため、もし同じくらいの年金額だった場合は、遺族年金を選択する方が税負担を抑えられるかもしれません。
図3 公的年金の種類による受給額の違い
![図3 公的年金の種類による受給額の違い](https://images.microcms-assets.io/assets/bd0a9e8c88d14fbd8aa25fdb8fccc8f3/c94aea63c4d64b9ea5a4f2f394c4b1f3/94f257e7-df4e-4865-ae96-9c4dae3e4cf2.jpg)
・「在職老齢年金」…働きながら受給する老齢厚生年金は支給停止になることも
60歳以降も働きたいと考えている方は「在職老齢年金」がポイントになります。
在職老齢年金とは、60歳以降も厚生年金保険に加入して働く方が、働きながら受給する老齢厚生年金のことです。給与収入・年金額の合計額が28万円(65歳未満・2021年度の基準額)を超えた場合、在職老齢年金の一部または全部が支給停止になります。
遺族年金ではこのような支給停止はありませんので、収入の状況次第では遺族年金を選択する方が手取り額が多くなるかもしれません。
図4 在職老齢年金のイメージ(60歳~64歳)
![図4 在職老齢年金のイメージ(60歳~64歳)](https://images.microcms-assets.io/assets/bd0a9e8c88d14fbd8aa25fdb8fccc8f3/a8df6edaf278409996ab24df5cf47c67/1acb3802-ac6d-4916-99ed-cd3bb47528fa.jpg)
※「勤務先からの給与・賞与」は、月給(標準報酬月額)に直近1年間の賞与を12で割った額を足した額を指します。
※「在職老齢年金」は、老齢厚生年金の年額を12で割った額(加給年金は除く)を指します。
※65歳以降では、47万円を超えると在職老齢年金の調整を受けるようになります。
なお、2022年4月からは65歳未満の基準額が引き上げられ、47万円となる予定です。この変更点も併せて知っておきましょう。
在職老齢年金について詳しく知りたい方はこちら
・「繰上げ受給の老齢年金」…たとえ年金を受給しなかったとしても生涯減額になる
年金の選択を踏まえて、繰上げ受給をするかどうかの判断にも気を付けましょう。
例えば、ある専業主婦・主夫の方が60歳から老齢年金の繰上げ受給を始めましたが、62歳のときに配偶者が亡くなったとします。
この場合も1人1年金の原則に従い、自分の老齢年金と遺族年金のどちらかを選択することになります。遺族年金を選べば老齢年金は受給できません。
65歳からは1人1年金の原則を離れ、遺族年金と合わせて再び老齢年金が受給できますが、繰上げ受給によって一定率で減額された年金額が生涯続きます。
つまり「繰上げ請求をしたけど、メリットがあまり感じられなかった」となる可能性があるということです。
図5 老齢年金と遺族年金のイメージ図
![図5 老齢年金と遺族年金のイメージ図](https://images.microcms-assets.io/assets/bd0a9e8c88d14fbd8aa25fdb8fccc8f3/25942e60215e4d78a897b870f14d248a/4449bfab-20a8-4199-9da2-19c7a7fa3fb4.jpg)
※夫は遺族厚生年金の支給要件を満たしているものとしています。
特に会社員の夫を亡くした妻の場合、一定の加算(遺族厚生年金の中高齢寡婦加算)が付くことがありますので、遺族年金を選択することが多いかもしれません。
未来がどうなるかは誰にも分かりませんが、一度繰上げ受給の請求をすると取り消せないため、このような可能性があることは知っておきましょう。
中高齢寡婦加算について詳しく知りたい方はこちら
難しい年金の選択、こんな手段も知っておきたい
年金制度は複雑です。実際に年金の選択をすることになれば「どっちを選べばいいの?」と混乱することもあるはずです。
ひとつの安心材料として「年金の選択は変更ができる」ということを知っておいてください。
「仕事を始めた・辞めた」「給料の額が変わった」など暮らしに変化があったときは、年金にも影響がないか見直しをしてみると良いでしょう。
その際は、ぜひ保険市場に手伝わせてください。
経験豊富なコンサルタントが在籍しているため、加入中の保険なども含めた総合的な視点から、より良い人生設計のお手伝いができるはずです。
![年金シミュレーションもできるおすすめアプリ](https://images.microcms-assets.io/assets/bd0a9e8c88d14fbd8aa25fdb8fccc8f3/733b93694d0d4a178823c69b8ff47626/1bc99211-50e8-411b-b493-0fceadf9ac77.png)
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