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2019.03.08

会社員・公務員が知っておきたい年金加入期間の壁(その2)「20年」

公的年金には、原則として65歳から受給できる老齢年金や、万一のことがあったときに遺族が受給できる遺族年金などがあります。

さらに、会社員・公務員の方の年金では、老齢厚生年金には「加給年金」、遺族厚生年金には「中高齢寡婦加算」という年金を上乗せして受給することができる場合があります。

ただし、加給年金と中高齢寡婦加算を受給するためには、厚生年金の被保険者期間が20年以上あることが必要とされています。

図1 厚生年金被保険者期間20年と加算の関係

資料:日本年金機構「加給年金額と振替加算」と「中高齢寡婦加算」をもとに執筆者作成

加給年金を受給するには

(1)加給年金の条件

老齢年金を受給する予定の方に厚生年金被保険者期間が20年以上あり、その方に生計を維持されている65歳未満の配偶者や18歳到達年度の末日までの子ども(または障害等級1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子ども)がいる場合、老齢厚生年金に上乗せされるのが加給年金です。

受給できる金額は下表のとおりです。

表 対象者の年齢制限と加給年金額
※スクロールで表がスライドします。

対象者 加給年金額 年齢制限
配偶者 224,300円※ 65歳未満であること
第1子・第2子 各224,300円 18歳到達年度の末日までの子どもまたは1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子ども
第3子以降 各74,800円

※老齢厚生年金を受給している方の生年月日に応じて、配偶者の加給年金額に33,100円~165,500円が特別加算されます。

資料:日本年金機構「加給年金額と振替加算」をもとに執筆者作成

(2)加給年金の支給停止

配偶者と子どもが年齢制限を超えると、加給年金は支給停止されます。

つまり、配偶者の方が65歳、子どもであれば原則として18歳に到達した年度の末日の時点で、本人の老齢年金のみの受給となります。

ただし、配偶者が1966年4月1日までにお生まれの方で所定の要件を満たせば、配偶者ご本人が65歳以降受給される老齢年金に「振替加算」という形で上乗せされます。

図2 加給年金のイメージ

例:夫65歳時点で妻52歳、子ども17歳。

夫は会社員として40年、妻は会社員として15年勤務していた家庭の場合。

資料:日本年金機構「加給年金額と振替加算」をもとに執筆者作成

(3)配偶者の厚生年金被保険者期間に注意

配偶者の厚生年金被保険者期間が20年以上ある場合、満65歳に到達して老齢厚生年金を受給できるようになると、それまで支給されていた配偶者加給年金は支給停止されます。

また、振替加算の対象となる配偶者には、要件を満たしていれば、配偶者が満65歳に到達して老齢基礎年金を受給できるようになったとき、振替加算が支給されます。

振替加算が支給される条件は、1926年4月2日~1966年4月1日までに生まれていることと、配偶者が老齢基礎年金のほかに老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合は、厚生年金保険および共済組合等の加入期間を併せて20年(240月)未満であることなどです。

この要件を満たしていない場合は、配偶者への振替加算は支給されません。

万一の場合に妻が中高齢寡婦加算を受給するには

厚生年金の被保険者に万一のことがあった場合、受給要件を満たしていれば、その方によって生計を維持されている遺族は遺族厚生年金を受給することができます。

例えば、亡くなったのが夫で、残された40歳以上の妻に生計を同じくしている子ども(18歳到達年度の末日を経過していない子、あるいは20歳未満で障害等級1級または2級の障害の状態にある子)がいない場合、夫が生前に厚生年金被保険者期間20年以上あれば、妻は65歳になるまでの間、年額584,500円の中高齢寡婦加算を遺族厚生年金に上乗せして受給することができます。

加給年金・中高齢寡婦加算の計算例

(1)加給年金の場合

例えば、2018年現在で夫49歳、妻40歳、子ども0歳のご家庭の場合、夫が65歳になったのち、妻が65歳になるまで9年分で約202万円(224,300円×9年=2,018,700円)と子どもが18歳になるまでの2年分で約45万円、(224,300円×2年=448,600円)総額で約247万円を受給することができます。

(2)中高齢寡婦加算の場合

例えば、子どものいない夫婦で妻40歳のときに夫が亡くなった場合、妻が65歳になるまでの25年間で約1,461万円(584,500円×25年=14,612,500円)を受給することができます。

なお、厚生年金被保険者期間20年に1カ月でも足りない場合は、加給年金も中高齢寡婦加算も受給できません。

まずは、厚生年金加入期間が何年あるか、配偶者の方と一緒に確認してみることをおすすめします。

大川 真理子の写真
執筆者 大川 真理子 オオカワ マリコ
AFP/2級FP技能士 
病院受付として医療費の相談を受けていた頃、お金についてのトータルな相談窓口の必要性を感じ、お金の勉強を始める。イギリスへの留学経験と日本語教師の資格も持ち、専門用語も分かりやすい言葉で伝えることを心掛ける。ブログにて税金や医療費制度などについて発信中。
  • ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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