帝王切開とは?
日本で出産をした人のうち、帝王切開で出産された方は、出産数全体の約2割を占めています。
この割合は、過去20年間で約2倍に増えており、年々医療技術が進歩していることがうかがわれます。
帝王切開と一口にいっても、「選択(予定)帝王切開」と「緊急帝王切開」の大きく2つに分類されます。
選択(予定)帝王切開とは検査の結果、自然分娩が難しいと医師が判断した場合に行われます。
通常、36~37週の検査結果をもとにして38週頃に行われ、例えば、逆子や双子などの多胎妊娠等の場合。
お母さんの骨盤に対して赤ちゃんの頭が大きかったり、胎盤の位置に不具合があったりといったケースにおいて、帝王切開が選択されることがあるようです。
また、緊急帝王切開とは言葉のとおり、赤ちゃんまたはお母さんの体に何かしらの緊急を要する状況がある場合に行われます。
赤ちゃんに十分な酸素がいきわたらない状態ができてしまった、胎盤がはがれてしまった、妊娠中毒症となってしまった等、緊急帝王切開となる場合には様々なケースが考えられます。
帝王切開による出産は一般的に一週間程度の入院を要するため、かかる費用は普通分娩よりも多く、約40万円近くになります。
ただし、出産一時金や高額療養費制度が適用になりますから、帝王切開にかかる費用を全額負担することはありません。
高額療養費制度は月ごとの計算となりますので、入院の期間が月をまたぐときには少々、注意が必要です。
また、同時に赤ちゃん(新生児)の入院費もかかることを考えれば、出産一時金等の還付金がある場合でも、20万円程度が手元にある方が安心でしょう。
帝王切開は一般的に手術に該当するため、医療保険に加入していると手術給付金の支払対象となる場合があります。
保険会社によりますが入院給付金は基本的に退院後の請求となり手術給付金は手術後の入院中でも給付金請求を行うことが可能です。
特に若い世代の場合、預貯金が十分に手元にないことも考えられますから、妊娠が分かってから急いで医療保険に加入することを検討される方もいます。
しかし、妊娠中の保険加入は不利な保障内容になってしまう可能性もありますし、数ヵ月先に迫ったその出産のためには、保障を使えないケースがほとんどです。
お金の心配をしないで安心して出産に臨むためにも、早い時期から医療保険に加入しておくことをおすすめします。
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コラム執筆者プロフィール
キムラ ミキ (キムラ ミキ) マイアドバイザー.jp®登録 - 鳥取県立米子東高等学校卒業後、日本社会事業大学 社会福祉学部 福祉計画学科にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP、社会福祉士を取得。大学卒業後、アフラックでの保険営業を経て、株式会社アゼル(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わる。その後FP会社でのスタッフ経験を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。
ファイナンシャルプランナー キムラ ミキ
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
掲載日:2020年05月15日
帝王切開のリスク
帝王切開で考えられる高いリスクとは何か、国立研究開発法人 国立成育医療研究センターのホームページをもとにご紹介します。
最も気を付けたいリスクは、多量の出血と血栓症(肺塞栓、いわゆるエコノミークラス症候群の症状)の発症です。
血栓症は、帝王切開では麻酔をして1時間近くベッドで横になるので、赤ちゃんの重さによって血管が圧迫され、血栓ができやすいためにリスクが高くなります。
なお、帝王切開には、あらかじめ日時を決めて行う「予定帝王切開」と、出産中に医師の状況判断によって行う「緊急帝王切開」の2種類があります。
つまり、妊婦であれば誰しもが帝王切開になる可能性があるということです。
帝王切開は比較的安全な手術といわれていますが、手術であることに変わりはありません。
普通分娩と比較するとリスクは高くなります。
保険で帝王切開のリスクに備えたい場合は、保障の対象になるのか、妊娠中なら何週目まで保険に加入できるのかなどに気を付けて検討しましょう。