医療保険の特約について
医療保険のパンフレットには、保障の特徴や内容がいろいろ記載されていますが、よくみると保障は主契約と選択可能な特約(オプション)に分かれています。特約の種類は全医療保険で統一されているわけではなく、保険会社の特徴がよく表れた構成になっています。以下に医療保険の特約の実態や、必要性についてまとめてみました。
医療保険の主契約と特約
医療保険は主契約と特約で構成されていて、主契約は、その医療保険に加入する場合に外すことのできないメインの保障です。一般的には「入院給付金」と「手術給付金」の保障が主契約となっていますが、「手術給付金」を特約にしている場合や「先進医療」の保障を主契約に含めている場合もあります。特約は、加入者(契約者)の希望に応じて選択できる(一部選択できない場合もあり)保障で、主な特約は下記のようなものがあります。
医療保険の主な特約と保障内容
主な特約の種類 | 保障内容 |
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成人病の保障 | がん(悪性新生物)や糖尿病等の成人病で入院や手術をした場合に、給付金を受け取れる(手術給付金の設定がない場合もあり) |
女性疾病の保障 | 女性特有の疾病で入院や手術をした場合に、給付金を受け取れる(手術給付金の設定がない場合もあり) |
三大疾病の保障 | がんや急性心筋梗塞、脳卒中と医師に診断されて保険会社所定の状態になった場合に、給付金を受け取れる |
先進医療の保障 | 厚生労働省が認定している先進医療によって治療を受けた場合に、給付金を受け取れる |
通院の保障 | 主契約である入院給付金保障の対象になっている疾病等で入院した後に通院が必要な場合に、給付金を受け取れる |
がんの保障 | がんと診断された場合に診断給付金を受け取れたり、がんで入院した場合に入院給付金等が受け取れる(がん保険のような保障を医療保険に付けられる) |
保険料の免除 | ―――――――――― |
資料)著者作成
なお、特約の種類、呼称、保障内容は、医療保険によって異なります。各特約の詳細についてはパンフレットや、保険会社への問い合わせにてご確認ください。
他にもある特徴的な特約
医療保険は毎年多くの保険会社から新商品が登場し、新しい保障の特約も増えてきています。上記で取り上げた以外にも、例えば次のような特約があります。
「抗がん剤治療を保障する特約」「入院時室料差額を保障する特約」「手術給付金(主契約)の対象から外れる手術を保障する特約」「退院後に給付金を受け取れる特約」「葬祭費用を補てんしてくれる特約」等々です。
特約をみると、保険会社の医療保険への取り組み方の違いがよくわかります。特約を少なくしてシンプルさ(わかりやすさ)を追求している保険会社や、沢山の特約を用意して品揃えを追求している保険会社、他社にはない特約を開発して差別化を意識している保険会社等、実に様々です。
どの特約が必要か?
各保険会社は他社との差別化や新たなニーズを掘り起こすために、日々商品開発をしています。当然「あったら良い」と思える保障を開発しているので、どの特約もあれば安心できそうなものばかりです。ただ、安心のためだからといって全て選んでしまうと支払う保険料が膨れてしまいます。もし病気やケガで入院や手術をすることになったときに、誰がどのくらい困るかをイメージしながら、保障内容と保険料をバランス良く設定することが大事です。特約を付けるにしても、いざというときに請求し損ねるようなことのないよう、自分で管理や理解できる範囲にしておきましょう。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 松浦 建二
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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