

2019.02.01
第3号被保険者と130万円の壁
1986年より会社員・公務員など(第2号被保険者)の配偶者に扶養される専業主婦・主夫(被扶養者)も第3号被保険者として、国民年金の加入対象となりました。
ここでは、会社員・公務員などの配偶者の被扶養者に該当するための収入要件についてお伝えします。
第3号被保険者の年収には要件がある
会社員・公務員など(第2号被保険者)の配偶者に扶養される主婦・主夫(第3号被保険者)の方は特に仕事をしてはいけないという制限はありませんが、第3号被保険者に該当するには収入に上限がありますので注意しましょう。
(1)収入の上限とは?
収入の上限は、原則、年間収入が130万円未満、60歳以上である場合または、障害厚生年金を受けられる程度の障害がある方の場合は年間収入が180万円未満になります。
給与所得等の収入がある場合、月額108,333円以下と見込まれるときは第3号被保険者となることができます。
また、被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれ、雇用保険等の受給者の場合は日額3,611円以下になります。
(2)年間収入130万円未満とは
年間収入が130万円未満とは、過去の年間年収のことではありません。
また、1月から12月の収入が累計で130万円未満ということでもありません。
今後の年間収入の見込みが基準になりますので、第1号被保険者、または第2号被保険者の人が第3号被保険者となった時点や、第3号被保険者の人が仕事を始めた日以降の1年間の収入の見込みが130万円未満かどうかで考えます。
なお、この年間収入には通勤手当も含まれます。
また、年間収入130万円未満の要件には「扶養者(被保険者)の収入の半分未満であること」も要件となっています。
そのため、扶養者である配偶者の収入があまり高くない場合は、主婦・主夫の年間収入が130万円未満であっても扶養から外れてしまうこともあるので、その点も注意が必要でしょう。
扶養から外れてしまった場合は?
(1)勤務先の社会保険加入の要件に注意
お勤めの方ならば、勤務先で社会保険(健康保険・厚生年金保険など)に加入できればよいのですが、扶養から外れたという理由で社会保険に加入できるものではなく、社会保険には加入要件があります。
パートタイマー・アルバイト等でも、1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している正社員の4分の3以上であれば、社会保険に加入することとなります。
また、正社員の所定労働時間および所定労働日数が4分の3未満であっても、下記の5つの要件を全て満たす方は社会保険に加入することになります。
- ・週の所定労働時間が20時間以上
- ・勤務期間が1年以上見込まれること
- ・月額賃金が88,000円以上
- ・学生以外
- ・従業員501人以上の企業に勤務していること
(2)勤務先の社会保険に加入できない場合は
被扶養者から外れても社会保険加入の要件を満たさない場合などは、お住まいの市区町村の年金窓口で国民年金第1号被保険者として加入の手続きが必要です。
この記事も参考に
収入が増えて配偶者の扶養から外れた場合は、ご自身で保険料を負担して社会保険または国民年金のいずれかに加入する必要があります。
その場合、手取りの収入が減るということもありますので、「130万円の壁」はしっかりと確認しておいた方がよいでしょう。
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