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2019.03.22

会社員・公務員の遺族年金 受給できる遺族とは?

公的年金制度には、保険の役割があることはご存じでしょうか?年金保険料を納め続けることで、自分が将来老齢年金を受給できるだけでなく、万一のときには、残された家族に対して「遺族年金」が支給されます。
このコラムでは、遺族年金を受給することができる遺族について解説していきます。家計を支えている家族が亡くなったとき、「誰が」「いつまで」遺族年金を受給することができるのかをしっかりと確認しましょう。

「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」で異なる遺族の範囲

厚生年金保険の被保険者である会社員・公務員の方が亡くなった場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金のいずれか、または両方の遺族年金が支給されます。
下の図に示した通り、遺族基礎年金は、子どもがいる場合に限って支給されます。それに対して、遺族厚生年金は、子どものいない妻や夫、孫、父母、祖父母も支給の対象となります。

図 遺族年金を受給することができる遺族

※被保険者が死亡当時の関係で判断。

資料:日本年金機構「遺族年金ガイド平成30年度版」をもとに執筆者作成

また、遺族年金を受給することができるのは、「亡くなった被保険者の方に生計を維持されていた」ことが必要で、原則として、同居していること、前年の年収が850万円未満であることの要件を満たしている遺族に限定されます。ただし、別居している場合でも、仕送りや健康保険の扶養親族であるなどの事実があれば認められます。

遺族が複数名いる場合には、最も優先順位が高い遺族が遺族年金を受給することができます。

遺族や子どもの年齢がポイント!遺族年金の受給要件

遺族年金を受給できるかどうか、いつまで受給できるのかは、生計を維持していた被保険者の方が亡くなった当時の「遺族の年齢」や「子どもの年齢」が基準となります。遺族年金の支給対象となる遺族ごとに、詳しく解説していきます。

(1)子ども、孫のケース

被保険者が亡くなったときに、18歳になる年度の末日(障害等級1級・2級の障害の状態にある場合は20歳未満まで)を経過していない子どもは、遺族基礎年金と遺族厚生年金の支給対象者となります。
また、18歳になる年度の末日(障害等級1級・2級の障害の状態にある場合は20歳未満まで)を経過していない孫は、最先順位者の場合、遺族厚生年金の支給対象者となります。
対象となる年齢を過ぎると、遺族年金の支給は打ち切りとなります。その他、対象となる年齢であっても婚姻した場合や養子縁組をした場合にも支給停止となります。

(2)妻のケース

遺族年金の受給要件は、被保険者である夫が亡くなったときの子どもの有無や、当時の年齢によって、支給される遺族年金の種類や期間が異なります(下記の表1参照)。

表1 妻の遺族年金の受給要件
※スクロールで表がスライドします。

夫が亡くなった
当時の年齢
遺族基礎年金 遺族厚生年金
支給有無
(支給期間)
支給有無
(支給期間)
子どもの
いる妻
全年齢
(子どもがいる間)
〇(一生涯)

中高齢寡婦加算
子どもの
いない妻
30歳未満 × 〇(5年間)
30歳以上 〇(一生涯)

中高齢寡婦加算

※「子ども」とは、18歳になる年度の末日(障害等級1級・2級の障害の状態にある場合は20歳未満まで)を経過していない者。

※中高齢寡婦加算とは、夫が亡くなったときに40歳~65歳未満で生計を同じくしている子どものいない妻に支給される。

資料:執筆者作成

子どものいる妻や、30歳以上の子どものいない妻に支給される遺族厚生年金は、再婚などによって受給権がなくならない限り、一生涯受給することができます。一方、子どもがいない30歳未満の妻の場合は、5年間の有期給付となるため、大きな差があるといえます。

(3)夫のケース

遺族年金の受給要件は、被保険者である妻が亡くなったときの子どもの有無や年齢によって、支給される遺族年金の種類や期間が異なります(下記の表2参照)。

表2 夫の遺族年金の受給要件
※スクロールで表がスライドします。

妻が亡くなった
当時の年齢
遺族基礎年金 遺族厚生年金
支給有無
(支給期間)
支給有無
(支給期間)
子どもの
いる夫
55歳以上
(子どもがいる間)
〇(一生涯)
55歳未満 ×
子どもの
いない夫
55歳以上 × 〇(60歳から一生涯)
55歳未満 ×

※「子ども」とは、18歳になる年度の末日(障害等級1級・2級の障害の状態にある場合は20歳未満まで)を経過していない者。

資料:執筆者作成

夫の場合、妻と比べて、遺族厚生年金を受給できる要件が厳しくなっています。そのため、妻が一家の大黒柱である場合には、民間の生命保険や貯蓄などで、万一のときに備えておくことをおすすめします。

(4)父母、祖父母のケース

父母や祖父母が遺族厚生年金を受給するためには、被保険者が亡くなった当時に父母や祖父母が55歳以上であることが要件となります。そして、父母や祖父母が60歳までは受給権が停止されるため、実際に遺族年金を受給できるのは60歳から一生涯となります。

ここまで、遺族基礎年金と遺族厚生年金について、受給できる遺族の範囲や年齢要件について紹介しました。遺族を一生涯支え続けてくれる可能性のある遺族年金は、万一のときには強い味方となるでしょう。遺族年金を受給できる遺族について理解ができたら、次回のコラムでは、遺族基礎年金や遺族厚生年金の受給額について解説していきますので、確認してみましょう。

張替 愛の写真
執筆者 張替 愛 ハリカエ アイ
AFP/2級FP技能士
大学で心理学を学んだ後、損害保険会社にて5年半勤務。その後、夫の海外赴任を機に独立を決意。育児をしながら在宅でファイナンシャルプランナーとしての活動を始める。転勤族や、仕事と家庭の両立で悩む女性のために、オンラインでのマネー講座や個別相談を開催中。
FP事務所マネセラ代表
  • ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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