医療保険の加入率

(公財)生命保険文化センター「平成25年度 生活保障に関する調査(速報版)」を使って医療保障に関する意識を確認してみましょう。この調査は全国の18歳から69歳までの男女に対し、平成25年4月から6月にかけて行われ、4,043人から回答を得たものです。
1.ケガや病気に対する不安
調査結果から、病気やケガをすることについての不安の有無を見ると、「不安感あり」と答えた方は90.5%で、平成16年以降増加傾向にあります。
また、具体的な不安の内容を見ると、第1位が「長期の入院で医療費がかさむ」、第2位「公的医療保険だけでは不十分」、第3位「家族に肉体的・精神的負担をかける」、第4位「後遺症や障害が残る」、第5位「不慮の事故にあう」となっています。
「長期の入院で医療費がかさむ」が過去の結果を見ても第1位になっており、長期入院への不安は根強いようです。
2.医療保険加入率
調査によると、民間の生命保険会社や郵便局、JA、生協、全労済で取り扱っている生命保険のうち、疾病入院給付金が支払われる生命保険の加入率は74.0%になっており、平成16年からの推移を見ても加入率は増加傾向にあります。
この調査での医療保障とは、医療保険に加入するケースや、個人年金保険に特約で医療保障を付けるケースなど様々さまざまな形態が含まれます。
3.公的医療保険に対する意識
自分が病気やケガをしたとき、医療費を公的医療保険でまかなえると思うかという質問に対して、「まかなえると思う」は44.4%、「まかなえるとは思わない」は51.9%になっています。
また、給付内容についての評価を見てみると、「充実」は38.4%、「非充実」は45.7%になっており、やや不満をお持ちの方が多いようですが、前回平成22年の調査に比べると「充実」は8.5ポイント増と、大きく増加しています。
さらに、病気やケガによる治療や入院に対する準備として、今後、公的保障の充実を望むかそれとも自助努力での準備を考えるのかという質問に対して、「公的保障充実志向」が42.8%、「自助努力志向」が51.0%となり、自助努力志向の方が半数を超え、かつ平成22年調査時と比較して4.5ポイント増加しています。
4.考え方
この調査結果を踏まえた上で、医療保障が得られる保険への加入を検討するようにしましょう。ケガや病気に対する不安は、ほとんどの方がお持ちですので、その不安をどのように解消するのかは考え方によって違ってきます。
しかし、少子高齢化により、今後、現在より公的医療保険が充実することは難しいと思われます。そうすると、医療保障を民間の医療保険でまかなうと考えるのも良いですし、保険に頼らず預貯金でまかなうと考えるのも良いでしょう。
5.まとめ
私が相談対応をしている中で感じることは、世代を問わず日本の将来に悲観的な方が非常に多いことです。少子高齢化が進み人口が減少することにより、将来に対して不安になることは仕方がないことかもしれません。
しかし、ただ嘆いているだけでは何の解決にもなりませんので、国や会社に頼らず自助努力をすることが大切になってきていると感じます。商品選択の前に医療保障をどのように準備するのかをゆっくり考えてみるようにしましょう。

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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) (マイアドバイザー.jp®登録) - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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