掛け捨てvs貯蓄性!定期死亡保険と終身死亡保険の違い
死亡保険に加入する場合、掛け捨ての定期死亡保険に加入するのか、それとも貯蓄性のある終身死亡保険に加入するのかを迷われる方も多いと思います。今から20年以上前であれば世の中の金利も高かったため、終身死亡保険の貯蓄性も高かったのですが、現在は世の中の金利が低くなったため、それぞれの違いをよく検討して加入する必要があります。
掛け捨て型商品と貯蓄型商品のどちらに加入したい?
まずは、みなさんが掛け捨て型の保険(定期死亡保険)と貯蓄型の保険(終身死亡保険)のどちらに加入したいと考えておられるのか、についてみていきましょう。
※定期保険と終身保険のそれぞれの商品内容については、「死亡保険の種類」をご参照ください。
(公財)生命保険文化センター「生活保障に関する調査(平成25年度)」によると、「掛け捨て型商品志向」が28.2%であるのに対し、「貯蓄型商品志向」が64.7%と、貯蓄型の保険の方に加入したいと思っている人が6割以上を占めています。
このデータからは多くの方が、貯蓄型商品に加入したいと考えておられることがうかがえます。
図1 掛け捨て型商品と貯蓄型商品のどちらに加入したい?【平成25年、単位:%】
資料:(公財)生命保険文化センター「生活保障に関する調査(平成25年度)」をもとに作成
掛け捨て型と貯蓄型とでは、支払う保険料はどのぐらい違うの?
貯蓄型の保険に加入したいと思っている場合でも、掛け捨て型と貯蓄型の保険料を比較した場合、貯蓄型の保険料がかなり高くなっており、その点で躊躇される方も多いです。
そこで、実際にどのぐらい保険料が違うのか、みていきましょう。
<例>
A生命保険:30歳男性、死亡保障額1,000万円
- 掛け捨て型の定期保険
-
・月額の保険料:約2,500円
(保障期間60歳まで、60歳払込満了)
(60歳までの払込保険料総額:約90万円) - 貯蓄型の終身保険
-
・月額の保険料:約19,000円
(保障期間終身、60歳払込満了)
(60歳までの払込保険料総額:約685万円)
※保険会社によってそれぞれの保険料は異なります。
毎月支払う保険料でみた場合、掛け捨て型の定期保険よりも貯蓄型の終身保険の方が約8倍も高くなっています。死亡保障額を高額にすればするほど、特に貯蓄型の終身保険では毎月の支払いが大変になってしまいます。
しかし、掛け捨て型と貯蓄型の保険の違いは毎月支払う保険料だけではなく、将来にも目を向けて考える必要があります。
上記で例に挙げた方が、30年後(60歳時点)に受け取ることができるお金は次の通りです。
<60歳時点で戻ってくるお金>
- A生命保険:30歳男性、死亡保障額1,000万円
- (掛け捨て型の定期保険) 満期返戻金:0円
- (貯蓄型の終身保険) 解約返戻金:約770万円
- ※解約した場合(保障はなくなります)。
- ※保険会社によってそれぞれの解約返戻金は異なります。
上記の例でいえば、貯蓄型の終身保険では60歳時点で解約することで受け取ることができる解約返戻金(約770万円)から、30年間払い続けた保険料の合計額(約685万円)を差し引くと、約85万円のプラスになります。
このように、貯蓄型の終身保険では、30年間保険料を支払い続けることで、一生涯、1,000万円の死亡保障を確保するとともに、約770万円の積立貯蓄を行ったことにもなります。
したがって、長期間加入し続けるのであれば、世の中の金利が低くなった現在でも、貯蓄型の終身死亡保険は、貯蓄機能と保障機能を併せて得られるメリットがあるといえます(ただし、長い加入期間の間にインフレが進んだ場合貨幣価値が下落し、解約返戻金の貨幣価値が目減りしてしまうリスクはあります)。
貯蓄型は途中で解約すると元本割れをしてしまう!
貯蓄型の終身保険に加入後、短期間で、または保険料を支払っている期間に途中で解約してしまうと、支払った保険料よりも戻ってくるお金の方が少なくなってしまいます。
途中で保険を解約する可能性があるのであれば、元本割れのリスクについても考えておきましょう。
掛け捨て型の定期保険と貯蓄型の終身保険のどちらに加入するのかについては、図2のように、今の保険料を支払うことができるかどうかのみならず、将来の家計の状況も判断した上で加入するようにしましょう。
図2 掛け捨て型の定期保険と貯蓄型の終身保険との比較
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※本記事は、2015年10月23日に掲載された記事です。そのため、記事内容は掲載日のものであり、現在と情報内容が異なっている場合がございますので、本記事の閲覧・利用等に際しては、ご注意ください。
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