火災保険の水災補償 補償されない二つの壁

6月に入り、全国的に梅雨の季節に入りますね。
梅雨の時期は大雨による災害が起こりやすくなるものです。
もし水災によりご自宅に損害が出てしまっても、火災保険の水災補償により経済的なリスクを減らすことができます。
ただし、住宅用火災保険では、水災により被害にあっても補償されない場合があることを、皆さまはご存じでしょうか。
今回は、火災保険の水災補償における「補償されない二つの壁」をお伝えします。

まず、そもそも火災保険の水災補償で補償する災害とは、どのようなものでしょうか。
それは、台風や暴風雨、豪雨などによって起こった、洪水や融雪洪水、高潮や土砂崩れなどによる水災です。
一方で、津波による被害は補償対象外であり、「地震保険」に加入することで補償の対象にすることができます。

しかし、火災保険の水災補償対象の災害が起きて損害が生じた場合でも、必ずしも保険金が支払われるわけではありません。

水災補償の補償されない一つ目の壁は「支払基準」です。
一般的に水災補償には支払基準が設けられていて、例えば下記いずれかの基準に該当した場合、保険金が支払われます。

  • 損害割合が保険対象(建物または家財)の時価もしくは再調達価額(同等の物を新たに建築、あるいは購入するのに必要な金額)の30%以上である場合
  • 床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水を被った場合

過去には、損害割合の基準(30%以上であること)のない商品があり、被害額が大きくても地盤面からの基準に達していないために、保険金が支払われないということもありました。

そして、二つ目の壁は「支払保険金額」です。
現在販売されている火災保険の水災補償は、損害の程度次第で損害額の全部を補償するものが増えています。
しかし、長期契約などで随分前に契約されている場合や最近契約した場合でも特約を付加することによって、支払保険金額に以下のような限度額が設けられている場合があります。

  • 床上浸水の場合で、損害割合が15%未満のときは、保険金額の5%
  • 床上浸水の場合で、損害割合が15%~30%未満のときは、保険金額の10%
  • 損害割合が30%以上のときは、損害額(または保険金額)の70%

これは、例えば再調達価額が3,000万円の住宅において、床上浸水により200万円の損害を生じても、損害割合は15%未満のため、最大100万円までしか補償されないことになります。

保険商品は時代に合わせて改良されていきます。
火災保険は、住宅ローンを組むときに長期で契約している場合がありますが、そのケースだと、契約当時の補償内容になっていることで、水災補償を付けていても十分な補償を得られない場合があります。
もし、火災保険に加入してから契約内容の見直しをされたことがないならば、どのような災害時に補償されているのか、支払基準はどのようになっており、支払われる保険金額がどのような設定になっているのかを確認することをおすすめします。

現在契約中の火災保険の解約は、満期時に返戻金のある積立型で一定期間保険料を払い込んでいれば解約返戻金が受け取れますが、支払った保険料の合計額より少なくなることがあり、契約後、短期間で解約した場合は、解約返戻金が全くないこともあるので注意が必要です。
しかし、長期契約の一括払いで保険料を支払っている場合は、契約を解約しても未経過期間分の保険料が戻るケースがあります。
この機会に、現在の契約で十分な補償が備わっていない場合は、補償の充実した新しい火災保険に入り直すことも検討してみてはいかがでしょうか。

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執筆者プロフィール

松原 季恵(まつばら きえ)

松原 季恵(まつばら きえ)

CFP®

銀行、損害保険会社での勤務経験から、多くのお客様の相談に乗ってきました。
ファイナンシャルプランナーとして独立した際は、ライフプランを軸に「お金で楽しい毎日を」を心がけて情報発信しています。

※この記事は、「金融・保険メールマガジン【保険道場】」で、2016年6月10日に配信されたものです。
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。